辨 |
変種にツクシマツモト var. spontanea があって九州の阿蘇に自生し、マツモトセンノウはその栽培品、という説がある。 |
かつてのセンノウ属 Lychnis(剪秋羅 jiănqiūluó 屬)の植物については、センノウの辨を見よ。 |
マンテマ属 Silene(蠅子草 yíngzĭcăo 屬)の植物については、マンテマ属を見よ。 |
訓 |
「和名まつもとハ元來まつもとせんのうノ略ナリ、まつもとハ其花形俳優松本幸四郎ノ紋所ニ似タル故此ク呼ビシナリ、從テ信州松本ノ邊多ク自生スル故其名アリト稱スルハ非ナリ。」(『牧野日本植物図鑑』。『改訂増補
牧野新日本植物図鑑』略同) なお、松本幸四郎の紋所は「四つ花菱」。
「和名の由来はよくわかっていない」(『改訂新版 日本の野生植物』)。 |
小野蘭山『本草綱目啓蒙』12(1806)に、「剪春羅 マツモト」と。ただし漢名を剪春羅(センシュンラ,jiănchūnluó)というものは、浙江・江西に産するガンピセンノウ(ガンピ)
S.banksia(S.sinensis, Lychnis coronata)。 |
説 |
九州(阿蘇)・朝鮮・中国東北・ウスリーに分布。
日本では、絶滅危惧ⅠB類(EN)。
|
江戸時代から観賞用に栽培。 |
誌 |
『花壇地錦抄』(1695)巻四・五「草花 夏之部」に、「松本せんおふけ 初中。色あかし。秋のせんおふけより大りん」と。 |