辨 |
ヒマワリ属 Helianthus(向日葵 xiàngrìkuí 屬)は、北アメリカに約50種がある。
H. angustifolius (狹葉向日葵)
ヒマワリ H. annuus (向日葵)
シロタエヒマワリ H. argophyllus(絹毛葵)
H. debilis
ヒメヒマワリ subsp. cucumerifolius(H.cucumerifolius;小向日葵・瓜葉葵)
ノヒマワリ H. decapetalus(千瓣葵)
H. laetiflorus (艶花向日葵)
ヤナギヒマワリ H. laevigatus
コヒマワリ H. × multiflorus
ヤナギバヒマワリ H. salicifolius
イヌキクイモ H. strumosus
キクイモ H. tuberosus (菊芋・洋薑)
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キク科 Asteraceae(菊 jú 科)の植物については、キク科を見よ。 |
訓 |
漢名を葵(キ,kuí)、和名をアオイという植物については、あおいを見よ。 |
和名ヒマワリ・漢名向日葵・フランス語名 tournesol は、いずれも「太陽に向って回る花」の意。「然レドモ太陽ニ向ヒテ廻ル事ナシ」(『牧野日本植物図鑑』)。
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中国では、古くから「葵は葉を傾けて日に向い、以て其の根を蔽う」と言われる(あおいを見よ)。 |
『大和本草』に、「向日葵(ヒフガアフヒ) ・・・國俗向日(ヒフガ)葵トモ日マハリトモ云」と。 |
属名Helianthus・英名 sun flower は、「太陽の花(太陽に似た花)」の意。 |
説 |
北アメリカ(ネバダ・アリゾナ・カリフォルニア・メキシコ)原産、ヨーロッパには16世紀末に入る。
中国に入ったのは明末以降。日本には、寛文(1661-1673)年間に入る。
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油料・飼料用の大型品種は、ロシアヒマワリ、花の直径は60cm、種子には白黒の縞が入る(他の品種は黒色)。
そのほか、多くの観賞用の品種が作られている。 |
ヒマワリの花や葉が 太陽の光に向って 一日のうちに向きを変える、ということはないことが、報告されている。 |
誌 |
種子を食用・油料にし、旧ソ連地域のほか 世界中で栽培されている。
また、観賞用に多くの品種がある。 |
中国では、花序托(花盤)・種子を薬用にする。 『全国中草葯匯編』下/263-264
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日の道や葵傾くさ月あめ (芭蕉,『猿蓑』1691)
(幸田露伴評釈に「こゝに云へる葵は俗にいふ日まはり即ち向日葵にもあらん」と)
向日葵は諸(もろ)伏しゐたりひた吹きに疾風(はやち)ふき過ぎし方にむかひて
(1914,斉藤茂吉『あらたま』)
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