べんけいそう (弁慶草)
学名 |
Hylotelephium erythrostictum (Sedum erythrostictum, S.alboroseum, S.telephium
ssp.alboroeum) |
日本名 |
ベンケイソウ |
科名(日本名) |
ベンケイソウ科 |
日本語別名 |
コベンケイソウ、イキクサ |
漢名 |
八寶(ハチホウ,bābăo) |
科名(漢名) |
景天(ケイテン,jĭngtiān)科 |
漢語別名 |
景天(ケイテン,jĭngtiān)、活血三七、胡豆七 |
英名 |
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2023/09/17 長野県霧ケ峰 |
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辨 |
ベンケイソウ科 Crassulaceae(景天 jĭngtiān 科)には、全世界に33-34属 約1400種がある。
Aeonium(蓮花掌屬) マカロネシア・北アフリカ・イエメンに約36種
Cotyledon(銀波木屬) アフリカ・アラビア半島に約11種
アズマツメクサ属 Crassula(靑鎖龍屬)
タカサキレンゲ属 Echeveria(石蓮花屬) 中南米を中心に約140種
タカサキレンゲ E. glauca 江戸時代に渡来
ムラサキベンケイソウ属 Hylotelephium(八寶屬)
リュウキュウベンケイ属 Kalanchoe(伽藍菜屬)
チャボツメレンゲ属 Meterostachys(鷄爪瓦松屬) 1属1種
チャボツメレンゲ M. sikokiana
イワレンゲ属 Orostachys(瓦松屬)
キリンソウ属 Phedimus(費菜屬)
イワベンケイ属 Rhodiola(紅景天屬)
マンネングサ属 Sedum(景天屬)
クモノスバンダイソウ属 Sempervivum(長生草屬) 北アフリカ・歐洲・西アジアに約63種
Sinocrassula(石蓮屬) 漢土・ベトナム・ヒマラヤに約7-15種
S. indica(Crassula indica, Sedum indicum;石蓮・紅花巖松)
『全国中草葯匯編』下/273-274
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ムラサキベンケイソウ属 Hylotelephium(八寶 bābăo 屬)には、東アジアを中心に約27-28種がある。
H. angustum(狹穗八寶)
H. bonnafousii(川鄂八寶)
ヒダカミセバヤ H. cauticola(Sedum cauticolum)
タカスソウ H. cyaneum(H.takasui)
ベンケイソウ H. erythrostictum(Sedum erythrosticum;八寶・景天)『中国本草図録』Ⅰ/0089
アルタイミセバヤ H. ewersii(圓葉八寶) シベリア乃至ヒマラヤに分布
H. mingjinianum(紫八寶花)
H. mongolicum(承德八寶)
ムラサキベンケイソウ H. pallescens(H.eupatorioides;白八寶)
カラフトミセバヤ(エゾミセバヤ) H. pluricaule(Sedum pluricaule, S.yezoense)
H. pseudospectabile(心葉八寶)
H. purpureum(歐紫八寶) 『中国本草図録』Ⅴ/2128
ミセバヤ(オオウチソウ・ネナシグサ) H. sieboldii(圓扇八寶・金錢掌)
エッチュウミセバヤ var. ettyuense(H.ettyuense, Sedum ettyuense)
チチッパベンケイ H. sordidum(Sedum sordidum)
オオチチッパベンケイ var. oishii(S.oishii) 絶滅危惧IB類(EN,環境省RedList2020)
オオベンケイソウ H. spectabile(Sedum spectabile;長葯八寶)
タマザキマンネングサ H. subcapitatum(頭狀八寶)
H. tatarinowii(華北八寶)
var. integrifolium(Sedum almae, S.pekinense;全緣華北八寶・北京景天) 河北産
ムラサキベンケイソウ H. telephium(Sedum telephium var. purpureum,
S.purpureum, H.purpureum) 北海道・朝鮮・漢土産
ツガルミセバヤ H. tsugaruense(Sedum tsugaruense, H.ussuriense var.tsugaruense)
H. ussuriense
ウスリーミセバヤ var.ussuriense ロシア沿海州に分布
ツガルミセバヤ var. tsugaruense(H.tsugaruense)
ミツバベンケイソウ H. verticillatum(Sedum verticillatum,
S.telephium ssp.verticillatum;輪葉景天)
アオベンケイ H. viride(Sedum viride)
ミドリベンケイ H. viridescens
コモチベンケイソウ H. viviparum(珠芽八寶)
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訓 |
「和名辨慶草ハ之レヲ折リ取リ檐ニ倒懸スルモ日ヲ經テ凋マズ復ビ之レヲ地ニ挿セバ又能ク活着スルヲ以テ其強健ノ狀ヲ勇士ノ辨慶ニ比セシモノナリ。いきくさハ生き草ニテ此容易ニ枯死セザレバ云フ」(『牧野日本植物圖鑑』)。 |
『本草和名』及び『倭名類聚抄』景天に、「和名伊岐久佐」と。
『大和本草』に、「景天(イキクサ) ・・・順倭名ニイキクサト訓ス、今世ノ俗ニヘンケイ草ト云、筑紫ニテ血トメト云、コレヲキリキズニツクレハ血ヲトムル故ニ名ツク」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』16景天に、「イキクサ和名鈔 ベンケイサウ京 ハチマンサウ チトメ筑前 チトメグサ丹波 フクレグサ加州 フクラグサ同上 ヲフクラグサ同上 フクログサ南部 フキバ備後 シゝフキサウ江戸 ゲンジサウ イチヤクサウ倶ニ同上 チイチイグサ石州 イチヤグサ新校正 クサギリ作州 テキリグサ若州 テッキリグサ仙台 フクレンボウ同上 ハホウヅキ和州 トリノイキリグサ越前 ハマレンゲ若州」と。 |
説 |
本州(中北部)・四国・九州・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・華北・陝西・湖北・安徽・江蘇・浙江・四川・貴州・雲南に分布。
埼玉県では準絶滅危惧(NT)。 |
誌 |
中国では、全草を薬用にする。 |
日本では、古くから各地で観賞用に栽培。
明治時代にオオベンケイソウが渡来してからは、あまり栽培しない。 |
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