辨 |
ヤマナラシ属 Populus(楊 yáng 屬)には、約100種がある。
P. adenopoda (響葉楊 xiăngyèyáng)
陝西・河南・華東・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南産 『中国本草図録』Ⅹ/4550
ウラジロハコヤナギ(ギンドロ・ハクヨウ) P. alba (銀白楊)
var. pyramidalis(新疆楊)
P.× berolinensis(中東楊)
P. bonatii(圓葉楊) 『雲南の植物Ⅰ』154
カナダポプラ P.× canadensis (加拿大楊・加楊)『中国本草図録』Ⅸ/4065
ナガバドロ P. cathayana(靑楊) 遼寧・華北・西北・四川・チベット産
P.charbinensis(哈靑楊)
P. ciliata(緣毛楊) 雲南・チベット・ヒマラヤ産
ヒロハヤマナラシ(ナミキドロ・アメリカクロヤマナラシ) P. deltoides 北アメリカ産
P. diversifolia (胡楊・胡桐) 『中国本草図録』Ⅱ/0520
コトカケヤナギ P. euphratica(胡楊) エジプト・西アジア・カフカス・中央アジア・モンゴリア・新疆産
『旧約聖書』の詩篇137に詠われる柳
P.× hopeiensis(河北楊 héběiyáng・椴楊・串楊) 華北・西北産
チリメンドロ(ニオイドロ) P. koreana(香楊) 朝鮮北部産
P. lasiocarpa (大葉楊) 陝西・湖北・四川・貴州・雲南産
P. laurifolia(苦楊) シベリア・モンゴリア・新疆産
ヨーロッパクロヤマナラシ(ヨーロッパヤマナラシ) P. nigra(黑楊;E.Black poplar)
歐洲・バルカン・カフカス・西&中央アジア・新疆産
セイヨウハコヤナギ var. italica (鑽天楊)
var. thevestina(箭桿楊)
P. pruinosa(灰胡楊) イラン・中央アジア・新疆産
P. pseudo-simonii (小靑楊) 遼寧・吉林・黑龍江・華北・陝甘・青海・四川産 『中国本草図録』Ⅴ/2039
P. purdomii (冬瓜楊) 河北・河南・陝甘・湖北・四川産
P. rotundifolia(圓葉楊) ヒマラヤ産
var. duclouxiana(淸溪楊) 陝甘・四川・貴州・雲南・チベット産
テリハドロノキ P. simonii(小葉楊)
遼寧・吉林・黑龍江・華北・兩湖・西北・四川・貴州・雲南産 『中国本草図録』Ⅸ/4066
ドロヤナギ(ドロノキ・デロ) P. suaveolens(P.maximowiczii;遼楊・臭梧桐)
北海道・本州(中部以北)・朝鮮(北部)・遼寧・吉林・黑龍江・内蒙古・河北・極東ロシア産
P. szechuanica(川楊) 陝甘・四川・雲南産
var. tibetica(藏川楊) 『雲南の植物Ⅰ』154
P. talassica(密葉楊) 中央アジア・新疆産
P. tomentosa(毛白楊・響楊)遼寧・華北・華東・西北産
『中国本草図録』Ⅸ/4067、『中草藥現代研究』Ⅲp.222
P. tremula
チョウセンヤマナラシ(エゾヤマナラシ) var. davidiana(P.davidiana,
P.jesoense; 山楊 shānyáng)
北海道・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・華北・華東・西北産
ヤマナラシ(ハコヤナギ) var. sieboldii(P.sieboldii)北海道・本州・四国産
ヨーロッパヤマナラシ var. tremula(歐洲山楊)
P. ussuriensis(大靑楊) 遼寧・吉林・黑龍江産
アメリカヤマナラシ P. tremuloides 北アメリカ産
P. wilsonii(椅楊) 陝甘・湖北・四川・雲南産
P. yunnanensis(雲南白楊・滇楊)四川・貴州・雲南産 『雲南の植物Ⅱ』145
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ヤナギ科 Salicaceae(楊柳 yángliŭ 科)については、ヤナギ科を見よ。 |
訓 |
「材ヲ用ヰテ箱ヲ造ル、故ニ箱柳ノ稱アリ、又山地ニ生ズル本種ノ葉ハ風ニ搖ギテ葉々相撲チ音アリ故ニ山鳴しノ名アリ」(『牧野日本植物圖鑑』)。 |
漢土では、歴史的にヤナギ科の樹木を楊柳(ヨウリュウ,yángliŭ)と総称してきた。
一般的には、そのうちヤマナラシ属の樹木を楊と呼び、ヤナギ属の植物を柳と呼ぶ。 |
属名は、ラテン語の人民 populus。
英名ポプラは、広義にはヤマナラシ属の総称、狭義にはセイヨウハコヤナギ P. nigra var. italica。 |
説 |
北海道・本州・四国・朝鮮に分布。 |
誌 |
『旧約聖書』の詩篇137に、バビロニアの捕囚となった古代イスラエルの人々が、首都バビロンの流れのほとりに生えた柳の木に竪琴を掛け、故郷のシオンを思い出して涙を流した、とある「バビロンの柳」は、ポプラの仲間(ヤナギ科ヤマナラシ属)のコトカケヤナギ Populus euphratica であったという。 |
中国では、賈思勰『斉民要術』(530-550)巻5に「種楡・白楊」が載る。 |
中国では、Populus tomentosa(毛白楊・響楊)などの雄花の花序を楊樹花(ヨウジュカ,yángshùhuā)と呼び薬用にする(〇印は正品)。『(修訂)
中葯志』V/236-243
〇カナダポプラ P.× canadensis (加拿大楊・加楊)
ナガバドロ P. cathayana(靑楊)
セイヨウハコヤナギ P. nigra var. italica(P.pyramidalis;鑽天楊)
テリハドロノキ P. simonii(小葉楊)
〇P. tomentosa(毛白楊・響楊)
チョウセンヤマナラシ(エゾヤマナラシ) P. tremula var. davidiana(P.davidiana,
P.jesoense; 山楊 shānyáng)
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