やぶにっけい (薮肉桂)

学名  Cinnamomum yabunikkei
  (C.tenuifolium, C.pedunculatum, C.japonicum auct. non Siebold, C.japonicum f.tenuifolium, C.japonicum Siebold ex Nakai, C.insularimontanum auct. non Hayata) 
日本名  ヤブニッケイ
科名(日本名)  クスノキ科
  日本語別名  メカツラ、マツラニッケイ、クスタブ、クロダモ
漢名  日本桂(ニホンケイ,rìbĕnguì)
科名(漢名)  樟(ショウ,zhāng)科
  漢語別名  月桂(ゲツケイ,yuèguì)、天竺桂(テンジクケイ,tiānzhúguì) 
英名  
2024/03/03 植物多様性センター 

2009/05/31 徳島市万年山

    クスノキ属 Cinnamomum(桂 guì 屬)の植物については、クスノキ属を見よ。
 和名は、外来の生薬としての肉桂に対して、身近な薮にあって役に立たない肉桂の意であろう。マツラニッケイとは、長崎県松浦地方で樹皮を採って利用することから。いずれにせよ、本来の和名ではない。
 メカツラについては、カツラを見よ。
 源順『倭名類聚抄』(ca.934)に、楓は「和名乎加豆良」と、桂は「和名女加豆良」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1806)30天竺桂に、「ヤブニッケイ 松浦ニッケイ ホトケタラシ ダモ ダマ タマ タブ
筑前 クスタブ同上 タボ加州 クスダモ アブラダモ アブラシバ メンドダモ勢州 タマクサ豫州 タマガラ同上 クスメンドウ カラダモ同名アリ コガノキ播州 アカサイ因州 アサダ阿州 クロアサダ ムヅ共同上 クロツゞノキ肥前 シホダマ上総 クロダマ豆州 コガイノキ長州」と。
 本州(関東以西)・四国・九州・琉球・朝鮮(南部島嶼)・臺灣(蘭嶼)に分布。
 中国では、樹皮・葉を天竺桂(テンジクケイ,tiānzhúguì)と呼び薬用にする。 『全国中草葯匯編』下/102-103
 薬用については、なお、クスノキ属の誌をも見よ。
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「冬木之分」に、「桂心(けいしん) につけいとハ、葉形各別なり。香味も異有」と。君塚仁彦はこれをヤブニッケイとする。

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