辨 |
ツルウメモドキ属 Celastrus(南蛇藤 nánshéténg 屬)には、アジア・豪州・南北アメリカに30種以上がある。
C. angulatus(苦皮藤・馬斷腸・苦樹皮・老虎麻) 『全国中草葯匯編』下/359-360
河北・山東・河南・陝甘・華東・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南産
イワウメヅル C. flagellaris(刺苞南蛇藤) 『中国本草図録』Ⅲ/1254
本州・四国・九州・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・河北・アムール産
『全国中草葯匯編』下/370
C. gemmatus(大芽南蛇藤・哥蘭葉・米湯葉・綿條子・霜紅藤) 『中国本草図録』Ⅹ/4712
河南・陝甘・華東・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南・臺灣産
C. glaucophyllum(灰葉南蛇藤・粉葉南蛇藤) 陝西・両湖・西南産 『雲南の植物Ⅰ』165
C. hindsii(靑江藤・野茶藤・黄果藤) 臺灣・福建・江西・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南産
C. hypoleucus(粉背南蛇藤・綿藤・博根藤・落霜紅) 河南・陝甘・湖北・四川・貴州産
リュウキュウツルウメモドキ(オオバツルウメモドキ) C. kusanoi(C.kusanoi
var.glaber;圓葉南蛇藤) 琉球・臺灣・海南島産
C. monospermus(Monocelastrus monospermus;獨子藤・大樣紅藤) 両広・貴州・雲南産
ツルウメモドキ C. orbiculatus(南蛇藤・南蛇風・過山風)
オニツルウメモドキ(イヌツルウメモドキ) var. strigillosus(C.strigillosus)
C. paniculatus(燈油藤・錐序南蛇藤・打油果) 『中国本草図録』Ⅷ/3684
兩廣・貴州・雲南・臺灣産
テリハツルウメモドキ(コツルウメモドキ・ヒュウガツルウメモドキ) C. punctatus
(東南南蛇藤) 山口・九州・琉球・臺灣・安徽・浙江・福建産
C. rosthornianus(短梗南蛇藤・黄繩兒・白花藤) 『中国本草図録』Ⅶ/3203
河南・陝甘・華東・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南産
オオツルウメモドキ(シタキツルウメモドキ) C. stephanotidifolius
(C.articulatus var. stephanotifolius)
本州岩手以南・四国・九州・朝鮮(南部)産
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ニシキギ科 CELASTRACEAE(衞矛 wèimáo 科)については、ニシキギ科を見よ。 |
訓 |
「和名蔓梅擬ハ蔓性ニシテ其實ノ觀うめもどきニ類似スルニ由リ斯ク云フ、民間之レヲつるもどきト云フハ片言ニシテ意味ヲ成サズ」(『牧野日本植物図鑑』)。 |
『大和本草』に、「蔓梅モドキ」と。 |
説 |
北海道・本州・四国・九州・琉球・朝鮮・極東ロシア・遼寧・吉林・黑龍江・華北・華東・陝甘・湖北・四川に分布。
雌雄異株。 |
誌 |
中国では、蔓茎を南蛇藤と呼び 薬用にする。なお、華北・山東では、果実を合歡花(本来はネムノキの蕾・花)として薬用にするが、効用のほどは不明、という。『全國中草藥匯編 上』p.368 |
『花壇地錦抄』(1695)巻三「藤並桂のるひ」に、「江戸梅もどき かづらニて、黄成色実あり。立花につかふつるむめもどき也」と。 |