おにぐるみ (鬼胡桃) 

学名  Juglans mandshurica var. sachalinensis
  (J.mandshurica var.sieboldiana, J.sieboldiana, J.sachalinensis, J.ailanthifolia)
日本名  オニグルミ
科名(日本名)  クルミ科 
  日本語別名  クルミ、オグルミ、ヤマグルミ、ホングルミ、カラフトグルミ、コオニグルミ
漢名  胡桃楸(コトウシュウ,hútáoqiū)
科名(漢名)  胡桃(コトウ,hútáo)科
  漢語別名  核桃楸(カクトウシュウ,hetaoqiu)、山核桃(サンカクトウ,shanhetao)
英名  Japanese walnut 
2024/03/14 植物多様性センター 

2021/03/24 小平市玉川上水緑地
 2021/04/09 同上

2016/05/15 長野県 茅野市北山 


 下垂しているものは雄花序。
 枝先に直立しているのは雌花。
       雌花

            Click & enlarge.

雄花  2007/04/21さいたま市 秋ヶ瀬

2005/04/22 跡見学園女子大学新座キャンパス
2024/06/20  シミック八ヶ岳薬用植物園
 
2004/09/07 跡見学園女子大学新座キャンパス

2007/10/08 薬用植物園
 クルミ科 Juglandaceae(胡桃 hútáo 科)には、9属約60種がある。

  Annamocarya(喙核桃屬) 
1種
    A. sinensis(喙核桃)
廣西・四川・貴州・雲南・ベトナム産 

  ペカン属 Carya(山核桃屬)

  Cyclocarya(靑錢柳屬) 1種
    C. paliurus(靑錢柳・靑錢李・山麻柳)
臺灣・華東・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南産 

  フジバシデ属 Engelhardia(烟包樹屬)
5種
    E. hainanensis(海南黃杞)
    E. roxburghiana;黃杞 huángqǐ・黃欅)
         
臺灣・福建・江西・湖南・兩廣・四川・貴州・雲南・東南アジア産 
    E. serrata(齒葉黃杞)
    E. spicata(雲南黃杞)
雲南・廣西・インドシナ・インドネシア・フィリピン産 
      var. colebrookiana(毛葉黃杞)
兩廣・四川・貴州・雲南・インドシナ・ヒマラヤ産 

  クルミ属 Juglans(胡桃屬)

  ノグルミ属 Platycarya(化香樹屬)

  サワグルミ属 Pterocarya(楓楊屬) 

  Rhoiptelea(馬尾樹屬)
1種 
    R. chiliantha(馬尾樹)
廣西・貴州・雲南・ベトナム産 
    
 クルミ属 Juglans(胡桃 hútáo 屬)には、世界に約21種がある。

  J. hopeiensis(麻核桃)
河北産 
  J. mandshurica
    マンシュウグルミ var. mandshurica(J.cathayensis, J.formosana;
         胡桃楸・核桃楸・山核桃・楸樹)
 樹皮(秦皮・核桃楸皮・楸皮)を薬用
         『中薬志Ⅲ』pp.448-543、『中国本草図録』Ⅰ/0021・Ⅳ/1580
         
朝鮮(北部)・遼寧・吉林・黑龍江・華北・陝甘・華東・兩湖・四川・貴州・雲南・・臺灣産 
    オニグルミ var. sachalinensis(var.sieboldiana, J.ailanthifolia,
         J.sachalinensis, J.sieboldiana)
    ヒメグルミ var. cordiformis(J.cordiformis, J.subcordiformis)
  ペルシアグルミ(カシグルミ) J. regia(胡桃・核桃)『中国本草図録』Ⅰ/0022
         
小アジア・カフカス・イラン・カラコルム産、長野県などで栽培 
    テウチグルミ
(チョウセングルミ・カシグルミ) var. orientalis
  J. sigillata(鐵核桃)
 雲南・ヒマラヤ産 『雲南の植物Ⅱ』181 
    
 和名でたんにクルミといえばオニグルミをさした。
 『本草和名』胡桃に、「和名久留美」と。
 『延喜式』胡桃に、「クルミ」と。
 『倭名類聚抄』胡桃に「和名久流美」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』26 胡桃に、「トウクルミ チヤウセンクルミ」と、また「真ノクルミハ韓種ニシテ世ニ少シ、・・・本邦ニ多ク栽ルモノハオニグルミナリ、略シテクルミト云、一名ヲグルミ
加州 ヲツコロミ東国」と。
 英名 walnut は「外国の木の実」の意。
 北海道・本州・四国・九州・樺太に分布。
 中国では、マンシュウグルミ(核桃楸)の未成熟の青果、秋に成熟した種仁、晩春初夏に採取した樹皮を薬用にする。 『全国中草葯匯編』上/668
 なお、テウチグルミの薬用についてはテウチグルミの誌を見よ。  
 日本で古来食用として用いたものは、オニグルミ及びテウチグルミの二種。縄文時代の遺跡からはオニグルミの実が大量に出土している。
 実を食用にするほか、油を採り、また材は堅く緻密で、家具などを作るのに用いる。
 『古今集』に、

   あぢきなし なげきなつめそ うき事に あひくる身をば すてぬものから
     
(藤原兵衛、物名「なし なつめ くるみ」)
 
 『花壇地錦抄』巻三「山椒(さんせう)るひ」に、「くるみ うるしの葉ニよくにて、くるミなる事、鈴のごとし」と。

   ふゆの日の今日も暮れたりゐろりべに胡桃をつぶす独語
(ひとりごと)いひて
     
(1915,斉藤茂吉『あらたま』)
   胡桃の実まだやはらかき頃にしてわれの病は癒えゆくらむか
     (1920,斎藤茂吉『つゆじも』)
   秋晴のひかりとなりて楽しくも実りに入(い)らむ栗も胡桃(くるみ)
     (1945,齋藤茂吉『小園』) 
 

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