にわとこ (庭常) 

学名  Sambucus racemosa subsp. sieboldiana var. sirboldiana (S.sieboldiana)
日本名  ニワトコ
科名(日本名)  ガマズミ科
  日本語別名  セッコツボク、タズ・タズノキ・キタズ、ハナギ(花木)、ダイノコンゴウ
漢名  接骨草(セツコツソウ,jiēgŭcăo)
科名(漢名)  莢蒾(キョウベイ,jiámí)科
  漢語別名  公道老(コウドウロウ,gongdaolao)、藍節朴(ランセツボク,lanjiepo)、扦扦活(センセンカツ,qianqianhuo)、馬尿騒
英名  Elder
2024/02/17 小石川植物園  2024/03/16 同左 
2009/03/15 さいたま市 秋ヶ瀬 

2013/03/20 小石川植物園

Click & enlarge.       
2024/03/30 武蔵村山市 岸 
2006/04/13 さいたま市 田島が原
2008/04/24 入間市 宮寺

2005/05/12 せせらぎ公園 2005/05/26 同左
2010/06/12 入間市 宮寺
2024/06/08 武蔵村山市岸

2011/08/16 長野県 蓼科山 
2008/08/29 長野県 軽井沢 

 ニワトコ属 Sambucus(接骨木 jiēgŭmù 屬)には、世界の温帯に約22-25種がある。

  S. adnata(S. schweriniana;S. wightiana;血滿草・血莽草・大血草・珍珠麻)
         
中国西北・西南・チベット・ヒマラヤ産 『全國中草藥匯編 上』p.366
         
『雲南の植物Ⅰ』216・『中国本草図録』Ⅰ/0353・『週刊朝日百科 植物の世界』1-317
  アメリカニワトコ
(カナダニワトコ) S. canadensis(加拿大接骨木)
  ソクズ S. chinensis(S.hookeri; S.javanica subsp.chinensis;接骨草・蒴藋・陸英・走馬風)
    タイワンソクズ var. formosana(S.formosana, S.javanica var.formosana)
  セイヨウニワトコ S. nigra(黑果接骨木・洋接骨木)
  ヨウラクニワトコ S. pendula
朝鮮半島南部産
  S. racemosa L.
    subsp. racemosa
歐洲・カフカス産
    subsp. pubens
アリューシャン・カナダ・USA産
    ニワトコ subsp. sieboldiana(S.sieboldiana;無梗接骨木)
      オオニワトコ var. major
本州日本海側に産
      ニワトコ(狭義) var. sieboldiana
    エゾニワトコ subsp. kamtschatica(S.kamtschatica, S.sachalinensis,
         S.miquelii;毛接骨木・馬尿燒)
         
北海道・本州(関東以北)・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・カムチャツカ産 『中国本草図録』Ⅶ/3348
    ヨウラクニワトコ subsp. pendula
  コウライニワトコ
(ヒロハニワトコ) S. williamsii Hance(S.manshurica, S.coreana,
          S.buergeriana, S.latipinna;接骨木・朝鮮接骨木・公道老・藍節朴)
         
『中国本草図録』Ⅳ/1869・Ⅴ/2329・Ⅸ/4347 『全国中草葯匯編』上/738-739
         
朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・華北・陝甘・山東・華東・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南産
   
 ガマズミ科 Viburnaceae(莢蒾 jiámí 科)については、ガマズミ科を見よ。
 和名ニワトコは、古名ミヤツコギ(造木)の訛、八丈島ではミヤトコと云う。
 したがって、ニワトコを庭常と書くのは 当て字。
 別名のハナギは、この枝で削り掛け(削り花)を作り、小正月に用いたことから。
 各地に残るダイノコンゴウ・ダイノコゴウ・ダイノコの語は、大の鉾の転訛か。木材で異様な形のものを削ったものの称謂。相模では、削り掛けをもこう呼ぶので、ニワトコの別名をダイノコンゴウという
(武田久吉『民俗と植物』)。
 源順『倭名類聚抄』(ca.934)接骨木に「和名美夜都古木」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』
(1806)32接骨木に、「タヅノキ キタヅ ニハトコ ハナノキ上野 ヤマトウシン肥前 ハタコノキ加州 シヤクヲシノキ同上 センキヲシ コブノキ南部 クサジキ上総」と。なお、草タヅとはソクズ 
 本州・四国・九州・朝鮮・樺太に分布。
 全株を接骨木と呼び、花を接骨木花と呼び、薬用にする。
 古代歌謡で、「迎う」の枕詞として使われる「山たづ」は、のちの造木(みやつこぎ)、すなわちニワトコだという。

   君が行
(ゆき)(け)長くなりぬ山たづの迎へを行かむ待つには待たじ
        
(『古事記』下,軽大郎女。同じ歌は『万葉集』2/90,衣通王。
             「ここに山たづと云ふは、是れ今の造木(みやつこぎ)なる者なり」)

     ・・・冬ごもり 春さり行かば 飛ぶ鳥の 早く来まさね
     龍田道の 岳邊(をかべ)の路に 丹(に)つつじの 薫はむ時の 桜花 開きなむ時に
     山たづの 迎え参(まい)出む きみが来まさば (6/971,高橋虫麿)
   


跡見群芳譜 Top ↑Page Top
Copyright (C) 2006- SHIMADA Hidemasa.  All Rights reserved.
跡見群芳譜トップ モクゲンジ イチイ アブラチャン タチバナ イロハカエデ 樹木譜index