辨 |
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トウネズミモチに似ているが、葉の葉脈が半透明に透けない。 |
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Ligustrum japonicum には、次のような種内分類群がある。
ネズミモチ(タマツバキ) var. japonicum(日本女貞)
キミノネズミモチ f. leucocarpum
ケネズミモチ f. pubescens(L.micranthum var.pubescens, L.rotundifolium
var.pubescens)
ハイネズミモチ f. repens
フクロモチ f. rotundifolium
イワキ var. spathulatum(L.japonicum var.crassifolium, L.amamianum;臺灣女貞)
琉球・臺灣産
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イボタノキ属 Ligustrum(女貞 nǚzhēn 屬)については、イボタノキ属を見よ。 |
訓 |
漢名を女貞(ジョテイ,nǚzhēn)というものは、トウネズミモチ L. lucidum。 |
和名について、「果實ハ長橢圓形ヲ成シ、紫黑色ニ熟シ、宛モ鼠ノ糞ノ如シ、故ニ俗ニ之ヲねずみのふんトモねずみのこまくらトモ云ヒ、畢竟鼠黐ノ和名モ之ニ基キ、其木もちのきニ類シ、其果實鼠糞ノ如ケレば云フ」(『牧野日本植物図鑑』)。 |
『本草和名』女貞に、「和名美也都古岐、一名多都乃岐」と。
『倭名類聚抄』女貞に「和名太豆乃木、楊氏漢語抄云、比女都波木」と、栧に「漢語抄云、祢須三毛知乃木」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』32 に、女貞は「ネズミモチノキ和名鈔 ネズモチノキ古歌 ネズミモチ京 ネズミノモチ越前 ネズミノキ備前備中 ネズミギ豫州 ネゾギ阿州 ネズツチヤウ防州 ネズミチヤウ長州 テラツバキ播州 ヤブツバキ東国 タマツバキ石州 カハツバキ雲州 イヌツバキ泉州 タニワタシ肥前、同名アリ フユナリ讃州」と、「円長実ヲ結ブ、鼠矢(ネズミノクソ)ノ形ノ如シ、熟シテ色黒シ、故ニ俗ニネズミノフン京師ト云、雲州ニテハ ネズミノコマクラト云」と。 |
説 |
本州・四国・九州・琉球・朝鮮南部に分布。東アジア各地でしばしば生垣・庭園樹などとして植栽。 |
誌 |
清少納言『枕草子』第40段「花の木ならぬは」に、「ねずもちの木、人なみなみになるべきにもあらねど、は(葉)のいみじうこまかにちひさきがをかしきなり。」と。
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『花壇地錦抄』(1695)巻三「冬木之分」に、「玉つばき 葉もちのごとくにて丸し。色よし」と。 |