ねこやなぎ (猫柳)
学名 |
Salix gracilistyla |
日本名 |
ネコヤナギ |
科名(日本名) |
ヤナギ科 |
日本語別名 |
エノコロヤナギ、トウトウヤナギ、カワヤナギ、タニガワヤナギ |
漢名 |
細柱柳(サイチュウリュウ,xìzhùliŭ) |
科名(漢名) |
楊柳(ヨウリュウ, yángliŭ)科 |
漢語別名 |
銀芽柳(ギンガリュウ,yinyaliu)、蒲柳(ホリュウ,puliu)、蒲楊(ホヨウ,puyang)、水楊(スイヨウ,shuiyang) |
英名 |
Chinese pussy willow |
2024/03/03 植物多様性センター |
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2024/03/27 同上 |
2024/04/11 同左 |
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辨 |
ヤナギ属 Salix(柳屬)の植物については、ヤナギ属を見よ。 |
訓 |
和名・英名は、銀色をした花序のつややかな毛並みをネコの毛に擬えて。エノコロヤナギは、それを犬の尾に擬えて。 |
源順『倭名類聚抄』(ca.934)水楊に「和名加波夜奈木」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1806)31に、水楊は「カハヤナギ ヱノコロヤナギ コロコロヤナギ サルヤナギ勢州 ネコヤナギ同上 フデヤナギ備前 ユキヤナギ奥州、同名アリ トウトウヤナギ伯州 カハネコ石州」と。 |
江戸時代以前に「かはやなぎ」と呼んだものは、本種が主であったと言う。猫柳は、明治以降の呼び名。
「和名川やなぎハ水邊ニ生ズルヨリ云フ、猫ヤナギハ其花穗ヲ猫尾ニ擬セシナリ、ゑのころやなぎハ犬ノ子やなぎノ意ニテ是レ亦其花穗ヲ狗尾ニ比セシナリ、とうとうやなぎノとうとうハ狗ノ仔ニシテ兒女其嫩花穗ヲ採リテ手ニ唾ヲ附ケとうとう乳呑めト言ヒ其花穗ニ唾ヲ吸ハスヲ以テ云ヒ、谿川やなぎハ谿流ノ邊ニ多ク生ズレバ云フ」(『牧野日本植物図鑑』)。 |
説 |
北海道・本州・四国・九州・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・極東ロシアに分布。
全国の川辺に普通に自生し、時に人家に植えられる。
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叢生する潅木、樹高は0.5-2m、高くて3m。ヤナギの仲間で、最も早く花をつける。
雌雄異株。 |
誌 |
『詩経』小雅・鹿鳴之什「采薇」に、「昔我往きしとき 楊柳依依たり。今我来たれば 雪雨(ふ)ること霏霏(ひひ)たり」とある楊柳は、伝に「蒲柳なり」とあり、ネコヤナギとされる。 |
『万葉集』に、
あられ降り 遠江の あと川楊 刈りつとも 亦も生ふと云ふ あと川楊
(7/1293,読人知らず)
山の際(ま)に雪はふりつつしかすがに此の河楊はも(萌)えにけるかも
(10/1848,読人知らず)
山の際の 雪は消ざるを 水ぎらふ 河のやなぎは もえにけるかも
(10/1849,読人知らず。別訓に第4句「川にし副えば」)
河蝦(かはづ)鳴く 六田の河の 川楊の ねもころ見れど 飽かぬ河かも
(9/1723,絹)
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