辨 |
園芸上しばしば紫式部と呼ばれ、庭に植えられているものは、同属のコムラサキ。 |
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ムラサキシキブ属 Callicarpa(紫珠 zĭzhū 屬)には、世界に約140種がある。
C. arborea(木紫珠・紫珠樹・大樹紫珠・南洋紫珠)
廣西・雲南・チベット・ヒマラヤ・熱帯アジア産
葉・根を薬用 『雲南の植物Ⅲ』262・『中国本草図録』Ⅴ/2272
C. bodinieri(紫珠・珍珠楓)河南・華東・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南産 『中国本草図録』Ⅵ/2798
var. giraldii(C.giraldii;老鴉糊)
ウオトリシキブ C. cana
C. cathayana (華紫珠・鯉魚顯子・紫紅鞭・米篩子)
河南・華東・湖北・兩廣・雲南産 『中国本草図録』Ⅳ/1819
コムラサキ(コシキブ) C. dichotoma (白棠子樹・小葉鴉鵲飯・山指甲)
シロミノコムラサキ f. albifructa
C. erioclona(滇南紫珠) 雲南・ベトナム・マレシア・ニューギニア産
ホウライムラサキ C. formosana(杜虹花) 『(修訂) 中葯志』V/157-161
琉球・臺灣・福建・浙江・江西・兩廣・雲南・フィリピン産
絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
シマムラサキ C. glabra
ウラジロムラサキ C. hypoleucophylla
C. integerrima (全緣葉紫珠・鴉鵲飯) 浙江・江西・福建・兩廣産 『中国本草図録』Ⅴ/2273
ムラサキシキブ C. japonica (紫珠)
オオムラサキシキブ var. luxurians(C.australis)
var. angustata (窄葉紫珠) 陝西・河南・華東・兩湖・兩廣・貴州・四川産
ビロードムラサキ(オニヤブムラサキ) C. kochiana(C.longiloba;C.loureiroi
野枇杷・長葉紫珠・山枇杷) 『中国本草図録』Ⅱ/0784 葉・根を薬用
紀伊半島・四国・臺灣・福建・浙江・江西・湖南・海南島・ベトナム産
コウトウムラサキ C. kotoensis(紅頭紫珠) 臺灣産
C. kwantungensis (廣東紫珠・止血柴) 浙江・江西・兩湖・兩廣・雲南産
C. lobo-apiculata(尖萼紫珠) 湖南・兩廣産 『中国本草図録』Ⅹ/4814
タカクマムラサキ(ナガバムラサキ) C. longissima(C.takakumensis;C.taiwaniana;
尖尾楓) 九州・臺灣・福建・江西・兩廣・四川産
絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
『中国本草図録』Ⅱ/0783 『全國中草藥匯編 上』p.357
オオバムラサキ C. macrophylla (大葉紫珠・山枇杷・大葉鴉鵲飯) 葉・根を薬用
兩廣・四川・貴州・雲南・熱帯&亜熱帯アジア・濠洲産
『雲南の植物Ⅲ』262・『中国本草図録』Ⅰ/0285 『全國中草藥匯編 上』pp.52-53
ヤブムラサキ C. mollis(C.zollingeriana) 日本(本州宮城以西)・四国・九州・朝鮮産
C. nudiflora(裸花紫珠・紫珠草・老蟹眼) 『中国本草図録』Ⅸ/4311
兩廣・ベトナム・マラヤ・ミャンマー・インド・スリランカ産
『(修訂) 中葯志』V/147-150
オオシマムラサキ C. ooshimensis 奄美産
ウラジロコムラサキ C. parvifolia(C.nishimurae) 小笠原産
ホソバムラサキ C. pilosissima (長毛紫珠) 臺灣産
ランダイムラサキ C. randaiensis(巒大紫珠) 臺灣産
コウシュンムラサキ C. remotiserrulata(疏齒紫珠) 臺灣産
C. rubella (紅紫珠・紅葉紫珠・小紅米果)
華東・湖南・兩廣・四川・貴州・雲南産 『中国本草図録』Ⅰ/0286
f. angustata(狹葉紅紫珠)『中国本草図録』Ⅸ/4312
f. crenata (鈍齒紅紫珠) 『中国本草図録』Ⅴ/2274
トサムラサキ(ヤクシマコムラサキ) C. shikokiana(C.yakushimensis) 四国・九州産
オオバシマムラサキ C. subpubescens
チクシムラサキ C. tikusiensis
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シソ科 Lamiaceae(脣形 chúnxíng 科)については、シソ科を見よ。 |
訓 |
「和名ハ優美ナル紫實ニ基キ、才媛紫式部ノ名ヲ假リテ其樹名ヲ美化セルモノナリ」(『牧野日本植物図鑑』)。 |
小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1806)32 紫荊の条に、「ヤマムラサキト云、一名ムラサキシキミ 紫式部 タマムラサキ コメウツギ紀州 コメゴメノ木越後」と。 |
説 |
北海道南部・本州・四国・九州・朝鮮・遼寧・河北・山東・華東・臺灣・兩湖・四川・貴州に分布。 |
誌 |
中国では、ムラサキシキブ属 Callicarpa(紫珠屬)の植物のうち、次のものの葉・根を紫珠(シジュ,zĭzhū)と呼び薬用にする(〇印は正品)。『全国中草葯匯編』上/844-847
C. bodinieri(紫珠・珍珠楓)
var. giraldii(C.giraldii;老鴉糊)
C. cathayana (華紫珠・鯉魚顯子・紫紅鞭・米篩子)
〇コムラサキ(コシキブ) C. dichotoma (白棠子樹・小葉鴉鵲飯・山指甲)
C. kwantungensis (廣東紫珠・止血柴)
C. nudiflora(裸花紫珠・紫珠草・老蟹眼)
〇C. pedunculata(杜虹花・粗糠草)
C. rubella (紅紫珠・紅葉紫珠・小紅米果)
また、次のものの葉・根を大葉紫珠(タイヨウシジュ,dàyè zĭzhū)と呼び薬用にする(〇印は正品)。『全國中草藥匯編』上/52-53
C. arborea(喬木紫珠・紫珠樹・大樹紫珠・南洋紫珠)
C. erioclona(滇南紫珠)
C. loureiri(C.longiloba;長葉紫珠)
〇オオバムラサキ C. macrophylla (大葉紫珠・山枇杷・大葉鴉鵲飯)
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