けやき (欅) 

学名  Zelkova serrata
日本名  ケヤキ
科名(日本名)  ニレ科 
  日本語別名  ツキ(槻)
漢名  光葉欅(コウヨウキョ,guangyeju) 
科名(漢名)  楡(ユ,yu)科
  漢語別名  尖齒欅(センシキョ,jianchiju)
英名  Zelkova
跡見学園女子大学新座キャンパス 3号館中庭
2005/04/05
2005/04/14
2004/12/01
2006/01/21 (雪化粧の姿)


2006/02/18 神代植物公園 2005/12/15 同左
2008/02/14 千葉県安房郡鋸南町
2004/04/24 三芳町竹間沢 2004/04/28 所沢市坂之下
2005/08/30 新座市野火止
2006/05/01 新座市中野
2006/11/18 神代植物公園
2008/11/13 神代植物公園
2006/12/03 神代植物公園


 ケヤキ属 Zelkova(欅屬)には、アジアに4-5種がある。
   Z. schneideriana(欅樹・大葉欅)
   ケヤキ Z. serrata(光葉欅)
   Z. sinica(大果欅・小葉欅) 
 ニレ科 Ulmaceae(楡科)については、ニレ科を見よ。
 源順『倭名類聚抄』(ca.934)槻に「和名豆木乃木」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』
(1806)31に、欅は「ケヤキ」と。
 日本・朝鮮・中国の温帯・暖帯に分布。
 武蔵野にケヤキが多いのは、江戸時代に植栽を奨励した名残という。
 材は狂いがないので、建築・船舶・車両・機械・楽器・彫刻・盆などに、とくに社寺の構造材や大黒柱に用いる。
 埼玉県・福島県・宮城県の県木。
 日本の古代には、材で弓を作った。

   をちかた
(彼方)の あららまつばら(松原)
    まつばら
(松原)に わた(渡)りゆ(行)きて
   つくゆみ
(槻弓)に まりや(矢)をたぐ(副)
   うまびと
(貴人)は うまびと(貴人)どちや
    いとこ
(親友)はも いとこ(親友)どち
   いざあ
(闘)はな われ(我)
     
(『日本書紀』巻9 神功皇后摂政元年3月の条、戦闘の歌。まり矢は、先の丸い鏑矢)
 『日本書紀』によると、法興寺(飛鳥寺。奈良県高市郡明日香村)にあった大きなケヤキの下では、さまざまな行事が行われ、またさまざまな事件が起った。
 巻24皇極天皇3年(644)正月の条に、中臣鎌子連
(なかとみのかまこのむらじ。後の中臣鎌足)は、「偶(たまたま)中大兄(なかのおほえ)の法興寺の槻の樹の下に打毱(まりく)うる侶(ともがら)に預(くはは)りて、皮鞋(みくつ)の毱(まり)の随(まま)脱け落つるを候(まも)りて、掌中(たなうら)に取り置(も)ちて、前(すす)みて跪きて恭(つつし)みて奉る。中大兄、対(むか)ひ跪きて敬(いや)びて執りたまふ。玆(これ)より、相(むつ)び善(よ)みして、倶に懐(おも)ふ所を述ぶ」と。
 巻25大化元年(645)6月、「乙卯
(19日)に、天皇(すめらみこと。孝徳天皇)・皇祖母尊(すめおやのみこと。皇極天皇)・皇太子(ひつぎのみこ。中大兄皇子)、大槻の樹の下に、群臣(まへつきみたち)を召し集めて、盟曰(ちか)はしめたまふ」と。
 巻28天武天皇元年(672)6月29日、「
(ここ)に留守司高坂王、及び兵(つはもの)を興す使者(つかひ)穂積臣百足(ほづみのおみももたり)等、飛鳥寺の西の槻の下に拠りて営(いほり)を為(つく)る。・・・爰に百足、馬に乗りて緩(やうや)く来る。飛鳥寺の西の槻の下に逮(いた)るに、人有りて曰はく、「馬より下りね」といふ。時に百足、馬より下るること遅し。便ち其の襟(きぬのくび)を取りて引き堕して、射(ゆみい)て一箭(ひとさ)を中(あ)つ。因りて刀を抜きて斬りて殺しつ」と。
 巻29天武天皇6年2月に、「是の月に、多禰嶋人
(たねのしまびと。種子島の人々)等に飛鳥寺の西の槻の下に饗(あへ)たまふ」と。
 巻30持統天皇2年12月に、「十二月乙酉朔丙申に、(蘇我)蝦夷
(えみし)の男女二百十三人に飛鳥寺の西の槻の下に饗(あへ)たまふ。仍(よ)りて冠位(かうぶりくらゐ)を授けて、物賜ふこと各(おのおの)(しな)有り」と。
 『万葉集』には、

   ・・・ はしり出の 堤に立てる 槻の木の こちごちの枝の 春の葉の 茂きが如く・・・
   ・・・ 出で立ちの 百え槻の木 こちごちに枝させる如 春の葉の 茂きがごとく・・・
       
(2/210;213,柿本人麻呂)
   ・・・ 春されば 殖槻
(うゑつき)がうえの ・・・
      
(13*3224,読人知らず)

   ・・・ 九月
(ながづき)の ・・・ かむなび(神名火)の ・・・
   百足らず 五十槻
(いつき)が枝に みず(瑞)枝指す秋の紅葉 ・・・
   手弱女に 吾は有れども 引き攀じて 峯もとををに
   ふさ手折り 吾は持ちて往く きみが頭刺
(かざし)
     反歌
   独りのみ 見れば恋しみ 神名火の 山の黄葉を 手折りけり君
       
(13/3223;3224,読人知らず)
   速く来ても 見てまし物を 山城の 高の槻村 散りにけるかも
(3/277,高市連黒人)

   池の辺の 小槻が下の 細竹
(しの)な苅そね
     其れをだに きみ
(君)が形見に みつつ偲はむ
      
(7/1276,読人知らず)
   長谷
(はつせ)の ゆ槻が下に 吾が隠せる妻
     あかねさし 光
(て)れる月夜に 人見てむかも
      
(11/2353,読人知らず)
   天飛ぶや 軽の社の 斎槻
(いはひつき) 幾世まで有らむ 隠妻(こもりづま)そも
      
(11/2626,読人知らず)

 春の芽生えや秋のもみじが愛でられ、植えられもしたこと、寺社に植えられた大木は、妻を隠してくれるほどであったこと、などが知られる。



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