辨 |
ケンポナシ属 Hovenia(枳椇 zhĭjŭ 屬)には、東アジア~ヒマラヤに3-7種がある。
H. acerba(枳椇・南枳椇)
ケンポナシ H. dulcis(北枳椇・拐棗・鷄爪樹)
H. trichocarpa
ケケンポナシ var. robusta(H.robusta, H.tomentella;
光葉毛果枳椇)
var. trichocarpa(毛果枳椇・毛枳椇)
|
クロウメモドキ科 Rhamnaceae(鼠李 shŭlĭ 科)については、クロウメモドキ科を見よ。 |
訓 |
和名の語源については諸説がある。『日本国語大辞典 第二版』『牧野日本植物図鑑』を参照。 |
小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1806)27枳椇に、「ケンポナシ京 ケンポノナシ ケンポガナシ筑前 テンポガナシ同上秋月 ケンポコナシ肥前 テンポコ同上 テンボナシ越前 アマカゼ南部 ケイビ播州 ケンブ木曾 テンポウナシ仙台 テンガポウ同上、木ノ名」と。 |
属名 Hovenia は、オランダの宣教師ホフェン David v.d.Hoven に因む。彼は、日本に住んだことがある。 |
説 |
北海道・本州・四国・九州・朝鮮・華北・陝甘・江蘇・安徽・江西・湖北・四川に分布。 |
誌 |
中国では、種子を枳椇子(シグシ,zhĭjŭzĭ)と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅱ』pp.275-276 『(修訂) 中葯志』III/475-478 |
花序軸は果熟期に肥厚し、独特の甘みを持ち、食える。
『花壇地錦抄』(1695)巻三「梨子(なし)るひ」に、「柤梖(けんほなし) 実ハまがりくねりたる物なり。味ヒ梨子のことし」と。 |