はすのはかずら (蓮葉蔓)
学名 |
Stephania japonica (Menispermum japonicum, Cocculus japonicus, S.hernandifolia) |
日本名 |
ハスノハカズラ |
科名(日本名) |
ツヅラフジ科 |
日本語別名 |
イヌツヅラ、ヤキモチカズラ |
漢名 |
千金藤(センキントウ, qiānjīnténg) |
科名(漢名) |
防己(ボウキ,fángjĭ)科 |
漢語別名 |
靑藤(セイトウ,qingteng)、天膏藥(テンコウヤク,tiangaoyao)、金綫吊烏龜(キンセンチョウウキ,jinxiandiaowugui) |
英名 |
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2007/06/20 薬用植物園 |
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2006/11/04 同上 |
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2009/11/06 京都府立植物園 |
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辨 |
ハスノハカズラ属 Stephania(千金藤 qiānjīnténg 屬)には、旧世界の熱帯・亜熱帯に約35-60種がある。
タマサキツヅラフジ S. cepharantha(臺灣千金藤・金綫吊烏龜・山烏龜)
『中国本草図録』Ⅹ/4593
S. delavayi(S.graciliflora;一文銭・纎花千金藤・地不容・山烏龜・地烏龜)
四川・貴州・雲南産 『中国本草図録』Ⅸ/4128
『全國中草藥匯編』上/334-335,下/283-284
S. dielsiana(血散薯) 湖南・兩廣・貴州産 『中国本草図録』Ⅹ/4594
S. elegans(雅麗千金藤) 四川・チベット産『全國中草藥匯編 上』p.126
S. epigaea(地不容) 四川・雲南産 『中国本草図録』Ⅳ/1639
S. hainanensis(海南千金藤) 海南島産 『中国本草図録』Ⅱ/0566
ハスノハカズラ S. japonica(Menispermum japonicum;千金藤・靑藤・天膏藥・金綫吊烏龜)
var. discolor(S.hernandiifolia;桐葉千金藤)
廣西・西南・熱帯アジア・濠洲産 『全國中草藥匯編 上』p.126,『中国本草図録』Ⅶ/3115
ケハスノハカズラ var. hispidus(剛毛千金藤) 臺灣産
ハスノハカズラ var. japonica(千金藤)
var. timoriensis(S.forsteri;光葉千金藤) 『中国本草図録』Ⅹ/4595
廣西・雲南・インドネシア・ベンガル・ジャワ・濠洲北部・ポリネシア産
S. kwangsiensis(廣西地不容・山烏龜) 廣西・雲南産 『中国本草図録』Ⅹ/4596
S. longa(糞箕篤) 臺灣・福建・兩廣・雲南産 『中国本草図録』Ⅸ/4129 『全国中草葯匯編』上/811
コウトウツヅラフジ S. merrillii(S.sasakii;蘭嶼千金藤・臺灣千金藤) 臺灣産
S. rotunda(圓千金藤)チベット・ヒマラヤ・インドシナ・インド産
S. sinica(汝蘭・華千金藤)
湖北・四川・貴州・雲南産 『中国本草図録』Ⅵ/2607 『全國中草藥匯編 上』p.377
シマハスノハカズラ(カンボウイ) S. tetrandra(粉防己・四蕊千金藤・
石蟾蜍・蟾蜍薯・吊葫蘆・山烏龜・倒地拱・大回魂)
臺灣・華東・兩廣・雲南産 『中薬志Ⅰ』pp.246-255 『全国中草葯匯編』上/657-658
S. venosa(多脈千金藤)
S. viridiflavens(黃葉地不容) 廣西・雲貴産 『中国本草図録』Ⅹ/4597
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ツヅラフジ科 Menispermaceae(防己 fángjĭ 科)の植物については、ツヅラフジ科を見よ。 |
訓 |
中国・日本における防己(ぼうき)・防已(ぼうい)については、ツヅラフジの訓・誌を見よ。 |
小野蘭山『本草綱目啓蒙』14下(1806)防己の条に、「ハスノハカヅラト呼モノアリ、一名イヌツゞラ熊野 ベウヅル ヤキモチカヅラ豫州 ガタマタ藝州。又別ニ同名アリ」と。 |
説 |
本州(神奈川以西)・四国・九州・琉球・朝鮮・臺灣・華東・両湖・河南(南部)・四川・インドシナ・マラヤ・インド・スリランカ・濠洲北東部に分布。
海岸や海に近いところに自生する。 |
誌 |
中国では、ハスノハカズラなどの茎・根を千金藤(センキントウ, qiānjīnténg)と呼び薬用にする(〇印は正品)。 『全國中草藥匯編』上/125-126
Stephania elegans(雅麗千金藤)
〇ハスノハカズラ Stephania japonica(千金藤・靑藤・天膏藥・金綫吊烏龜)
var. discolor(S.hernandiifolia;桐葉千金藤)
また、ツヅラフジ科の次の植物の根を粉防己(フンボウキ,fĕnfángjĭ)と呼び薬用にする(〇印は正品)。 『全国中草葯匯編』上/657-658
Diploclisia affinis(D.chinensis;秤鈎風)
ツヅラフジ Simomenium acutum(風龍・防己・靑藤・靑風藤)
Stephania elegans(雅麗千金藤)
ハスノハカズラ Stephania japonica(千金藤・靑藤・天膏藥・金綫吊烏龜)
Stephania rotunda(圓千金藤)
〇シマハスノハカズラ Stephania tetrandra(粉防己・四蕊千金藤)
ケオオツヅラフジ var. cinereum(毛靑藤)
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『万葉集』に、
駿河のうみ(海)おしへ(磯辺)にお(生)ふるはま(浜)つづら
いまし(汝)をたのみはは(母)にたが(違)ひぬ (14/3359,読人知らず)
とあるはまつづらは、このハスノハカズラかとも云う。 |
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