辨 |
エニシダ属 Cytisus(金雀兒 jīnquèér 属)には、約33種がある。
C. × dallimorei
シロバナセッカエニシダ(シロバナエニシダ) C. multiflorus イベリア・北アフリカ原産
C. praecox
C. × racemosus
エニシダ C. scoparius(金雀兒)
ホオベニエニシダ var. andreanus
ヒメエニシダ C. × spachianus
C. stenopetalus
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マメ科 Leguminosae(Fabaceae;豆 dòu 科・荳科)については、マメ科を見よ。 |
訓 |
「和名ハ今屬名トシテ他品ニ使用セラレアル Genista ノ語ニ基ヅク」(『牧野日本植物図鑑』)。 やや詳しくは、和名エニシダは、オランダ語の genista(ヘニスタ)から、あるいはスペイン語の hiniesta(イニエスタ)から。いずれもラテン語の genista(ゲニスタ)の転訛で、ヒトツバエニシダ属 Genista(染料木屬)の植物を指す。 |
属名 Cytisus は ギリシア語の Kitisos(クローバーの一種)から、三出複葉に由来する。
種小名 scoparius は「箒の」の意、この枝から箒を作ったことから。英名 broom も箒。 |
説 |
ヨーロッパ原産。今日では、ホオベニエニシダをはじめ、多くの栽培品種がある。
日本には延宝(1673-1681)年間にオランダから入り、1710年には「えにすた」の記録がある。 |
誌 |
花の観賞用に庭園に植えられるが、有毒植物であり、茎葉を薬用にする。また若い蕾・若い莢を 塩漬けにして食用にし、種子はコーヒーの代用にする。 |
イギリスのプランタジネット Plantagenet 王朝(1154-1399)の紋章。
そもそも この王家の名は、初代の王ヘンリーII(1133-1189)の父アンジュー伯ジェフリー(1113-1151)が、いつも冑にエニシダ(Lat. planta genista)の小枝を挿していたことに由来する。
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エニシダの枝で作った箒は、魔女の持ち物、彼女らはこれに乗って夜の空を飛ぶ。 |