辨 |
アリドオシ属 Damnacanthus(虎刺 hŭcì 屬)には、東アジア~アッサムの温帯アジアに約11-15種がある。
ホソバノアリドオシ C. angustifolius(Tetraplasia angustifolius,
T.stenophylla;臺灣虎刺) 臺灣産
リュウキュウアリドオシ(オキナワジュズネノキ) D. biflorus(Tetraplasia biflora,
T.lutchuensis) 琉球産
ナガバジュズネノキ D. giganteus(短刺虎刺)
本州近畿以西・四国・九州・華東・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南産
D. indicus(虎刺)
タイワンアリドオシ var. formosanus
アリドオシ var. indicus(虎刺)
ホソバオオアリドオシ var. lancifolius
オオアリドオシ(ニセジュズネノキ) var. major(D. major;
大卵葉虎刺・大形虎刺)
本州関東以西・四国・九州・琉球・朝鮮南部・浙江・廣東産
ヒメアリドオシ var. microphyllus 紀伊半島・四国・九州・琉球産
ジュズネノキ(オオバジュズネノキ) D. macrophyllus(D.indicus
var.macrophyllus, D.major var.macrophyllus;
浙皖虎刺・大葉虎刺・數珠樹・鷄筋參)
本州近畿以西・四国・九州・安徽・浙江・福建・廣東・貴州・雲南産
『全国中草葯匯編』下/329-330
岩崎灌園『本草圖譜』巴戟天にジュズネノキと
オオシマアリドオシ D. minutispinus
ヤンバルアリドオシ D. okinawensis 琉球産
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アカネ科 Rubiaceae(茜草 qiàncăo 科)については、アカネ科を見よ。 |
訓 |
「和名ハ蓋シ蟻通しノ意ニテ其微蟲モ通ス刺針ノ尖鋭ヲ賞讚セシモノナラン、之レヲ其果實ノ永ク存スルニ由ルト云フハ俗説ナリ」(『牧野日本植物図鑑』)。 |
時によりこれを「一両」と呼ぶのは、花戸の俗称であろう。カラタチバナの訓を見よ。 |
小野蘭山『本草綱目啓蒙』17(1806)有名未用に、「虎刺 コトリトマラズ ウリドホシ江戸 ネズミバナ ネズミノハナトホシ土州 ハボロリ肥前 ランダグコ」と。 |
説 |
本州(関東以西)・四国・九州・朝鮮(南部)・臺灣・華東・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南・チベット・ミャンマー・アッサムに分布。
埼玉県では絶滅危惧Ⅱ類(VU)。 |
誌 |
中国では、全株及び根を虎刺(コシ,hŭcì)と呼び、花を伏牛花(フクギュウカ,fúniúhuā)と呼び、それぞれ薬用にする。『全國中草藥匯編
上』p.509 『(修訂) 中葯志』IV/459-464 |