たいつりおうぎ (鯛釣黄耆) 

学名  Astragalus mongholicus (A.membranaceus var.obtusus, A.shinanensis)
日本名  タイツリオウギ
科名(日本名)  マメ科
  日本語別名  ヤワラクサ、キバナオウギ
漢名  黃耆(黄芪,コウキ,huángqí,おうぎ)
科名(漢名)  豆(トウ,dou)科
  漢語別名  膜莢黃耆(バクキョウコウキ,mojiahuangqi)、東北黃耆、蒙古黃耆、東山黃耆
英名  

2008/04/05 明治薬科大学薬草園(キバナオウギ) 2008/07/21 薬用植物園(キバナオウギ)

2008/08/19 薬用植物園(キバナオウギ)

2010/08/24 富山県薬用植物指導センター (キバナオウギ)

 ゲンゲ属 Astragalus(黃耆屬)については、ゲンゲを見よ。
 和名のタイツリとは、実の形から。もと膀胱(ぼうこう)黄耆と名づけられたが、牧野富太郎により改められた。
 漢名は、古来 黃耆(コウキ,huángqí,おうぎ)と書かれてきたものだが、中華人民共和国では黄芪の字を用いる。芪は耆と同音同義、所謂簡体字ではないが、この植物の名ぐらいでしか用いられない。
 李時珍『本草綱目』(ca.1596)黄耆の釈名に、「耆(キ,qí)は長なり。黄耆は、色 黄にして補薬の長たり、故に名づく。今 俗に通じて黄芪に作る。或は蓍(シ,shī)に作る者は非なり。蓍は乃ち蓍龜(シキ,shīguī,筮竹と亀甲、占いの道具)の蓍、音は尸(シ,shī)なり」と。(『中国高等植物図鑑』が黄蓍と記すのは、単なる誤植か)。 
 ちなみに、蓍(シ,shī)はノコギリソウ、古くその茎でめどぎを作った。
 同書同項に、「黄芪 綱目。戴糝 本経。戴椹別録又名独椹。芰草 別録又名蜀脂。百本 別録。王孫 薬性論」と。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)黄耆に、「和名也波良久佐、一名加波良久佐」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)黄耆に、「和名夜波良久佐」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』8(1806)黄耆に、「ワウギ通名」と。
 日本(北海道・岩手及び中部地方高山)・朝鮮・中国(東北・華北・西北)・蒙古・東シベリアに分布。
 中国では、その根を黃耆・黄芪・綿黃耆・綿耆と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅰ』pp.451-456
 また、地方により、A.tongolensis (黑毛果黃耆・白耆)・A.chrysopterus (金翼黃耆)・A.floridus (多花黃耆)・A.maowenensis (茂汶黃耆)・A.yunnanensis (雲南黃耆)・A.ernestii (梭果黃耆)などの根を、同様に用いる。
 中国に産する A.mongholicus の根を、日本薬局方でオウギと呼ぶ。
 日本では、イワオウギ(岩黄耆、タテヤマオウギ) Hedysarum vicioides(H.iwawogi;擬蠶豆,ギサントウ, nicandou)を、和黄耆(わおうぎ)の名で同様に薬用にした。
 また、日本で唐黄耆
(からおうぎ)と呼んだものは Hedysarum polybotrys(多序巖黃耆)、中国では紅耆・束耆の名で 同様に薬用にする。
 『花壇地錦抄』(1695)巻四・五「草花 夏之部」に、「わうき 中。葉も花も、藤のちさきもの也。薬種のわうき」と。


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