おおばこ (大葉子) 

学名  Plantago asiatica subsp. asiatica (P.asiatica var.asiatica, P.asiatica var.densiuscula, P. major var. asiatica)
日本名  オオバコ
科名(日本名)  オオバコ科
  日本語別名  オンバコ・オンバク・オンバ・オンバツ・オンバツノハ・オンバッコ・オバコグサ・オンバン・アンバツ・アンバン・ウンバツ・ウンバグサ・ウンバノハ、ガイロッパ・カイツルバ・カロエッパ、ツンベ、スモトリグサ、メンバツクサ、
漢名  車前(シャゼン,chēqián)
科名(漢名)  車前(シャゼン,chēqián)科
  漢語別名  車葥(シャゼン,chēqián)、芣苢・芣苡(フイ,fúyĭ)、牛遺(ギュウイ,niuyi)、當道、馬舃(バセツ,măxì)、驢耳朶菜、車軲轆菜、車輪菜、蝦蟇衣、地衣
英名  Asiatic plantain

2008/09/11 入間市宮寺
雌蕊 雄蕊
2005/11/07 田島が原

 Plantago asiatica には、次のような種内分類群がある。

  オオバコ subsp. asiatica(var.asiatica, var.densiuscula, P.major var.asiatuica;車前)
    ホウキオオバコ f. paniculata
    ヤツマタオオバコ F. polystachya
  subsp. densiflora(長果車前・密花車前)
 両湖・雲貴・チベットに産 
  subsp. erosa(疏花車前) 福建・両湖・両広・西南・チベット・陝西・青海に産 
  タイワンオオバコ var. formosana()
琉球・臺灣産
  エナガオオバコ var. laxa
  マルミオオバコ var. sphaerocarpa
立山産
  ヤクシマオオバコ var. yakusimensis(P.asiatica var.densiuscula f.yakusimensis,
         P.yakusimensis)
屋久島・済州島産 
   
 オオバコ科 Plantaginaceae(車前 chēqián 科)には、全世界に約97属 1850-1900種がある。
      incl. Callitrichaceae, Hippuridaceae, Trapellaceae

  アンゲロンソウ属 Angelonia(香彩雀屬)

  キンギョソウ属 Antirrhinum(金魚草屬)
地中海地方西部に20種
    キンギョソウ A. majus(金魚草)

  オトメアゼナ属 Bacopa(假馬齒莧屬)

  アワゴケ属 Callitriche(水馬齒屬) 全世界に60-75種
    アワゴケ C. japonica
本州・四国・九州・琉球・臺灣・タイなどに産
    ミズハコベ C. palustris(C.stagnalis;水馬齒・沼生水馬齒)
         
北海道・本州・四国・九州・琉球・雲南・チベットから広く北半球に産
    チシマミズハコベ C. hermaphroditica(綫葉水馬齒)
北半球の温帯・亜寒帯に産

  ヒナウンラン属 Chaenorhinum(毛彩雀屬)
北アフリカ・歐洲・西アジアに21種
    ヒナウンラン C. minus

  ジャコウソウモドキ属 Chelone(鰲頭花屬)
北米東部に4種

  コリンソウ属 Collinsia(錦龍花屬)
北米西部に約20種

  ツタバウンラン属 Cymbalaria(蔓柳穿魚屬)

  サワトウガラシ属 Deinostema(澤蕃椒屬) 東アジア温帯に2種
    マルバノサワトウガラシ D. adenocaula
本州・四国・九州・朝鮮・臺灣・中国西南産
    サワトウガラシ D. violacea(Gratiola violacea;澤蕃椒)
         
本州・四国・九州・朝鮮・中国東北・江蘇・ロシア沿海地方・ハバロフスク産
        
サワトウガラシD.violaceum・マルバノサワトウガラシ D.adenocaulon 2種

  ジギタリス属 Digitalis(毛地黃屬)

  アブノメ属 Dopatrium(虻眼屬)
旧世界の熱帯・亜熱帯に約12-15種
    アブノメ D. junceum(虻眼)
         
本州福島以南・四国・九州・琉球・朝鮮・臺灣・漢土南部・東南アジア・濠洲・アフリカに産

  キクガラクサ属 Ellisiopyllum(幌菊屬)
1種
    キクガラクサ E. pinnatum(幌菊)
         
本州・四国・臺灣・江西・河北・甘肅・西南・ヒマラヤ・フィリピン・ニューギニア産

  イワカラクサ属 Erinus(狐地黃屬)

  ルリカンザシ属
(ヒナデマリ属) Globularia(地團花屬) 歐洲・北アフリカに22-23種

  オオアブノメ属 Gratiola(水八角屬)
北半球温帯・南米・濠洲に約20-30種
    カミガモソウ G. fluviatilis
本州・四国・九州産
    G. griffithii(黃花水八角)
廣東・アッサム産
    オオアブノメ Gratiola japonica(白水八角)
本州・九州・朝鮮・江蘇・江西・雲南・東北・極東ロシア産

  サクマソウ属 Hemiphragma(鞭打繡球屬)
1種
    H. geterophyllum(鞭打繡球)
臺灣・湖北・陝甘・西南・チベット・フィリピン・セレベス産

  スギナモ属 Hippuris(杉葉藻屬)
北半球冷温帯・濠洲南部に1-4種
    ヒロハスギナモ H. tetraphylla
北海道から北半球の周極地方に産
    スギナモ H. vulgaris(杉葉藻)
北海道・本州中部以北から世界の温帯・亜寒帯に産

  ヒメツルウンラン属 Kickxia(銀魚草屬)
旧世界に約10種

  ウルップソウ属 Lagotis(兔耳草屬)
歐亞・北米に約28-30種
    ウルップソウ(ハマレンゲ) L. glauca(兔耳草) 北海道・本州中部・極東ロシア・アラスカ産
    ユウバリソウ L. takedana
北海道産
    ホソバウルップソウL. yesoensis
北海道産
    L. yunnanensis(雲南兔耳草)
四川・雲南産 『雲南の植物』204

  シソクサ属 Limnophila(石龍尾屬)
旧世界の熱帯・亜熱帯に約36-44種
    シソクサ L. aromatica(L.chinensis var aromatica;紫蘇草)
         
本州関東以西・四国・九州・琉球・臺灣・江西・廣東・東南アジア・濠洲産
    エナシシソクサ L.fragrans
琉球・臺灣・フィリピン・ニューギニア・濠洲産
    コキクモ L. indica(L.trichophylla;有梗石龍尾)
         
本州・臺灣・廣東・雲南から旧世界の熱帯・亜熱帯に産
    ホウライシソクサ L. rugosa(大葉石龍尾)
琉球・臺灣・福建・廣東・湖南・雲南・熱帯アジア産
    L. sessiliflora(石龍尾)
遼寧・河南・華東・湖南・両広・西南・東南アジア・インド産

  ウンラン属 Linaria(柳穿魚屬)
歐亞温帯・北アフリカに約150-180種
    ムラサキウンラン(ヒメキンギョソウ) L. bipartita(L.incarnata;小龍口花) イベリア・北アフリカ原産
    ヒメウンラン L. buriatica(L.amethystea;多枝柳穿魚)
黒龍江・モンゴル・シベリア産
    キバナウンラン L. genistifolia ssp. dalmatica(L.dalmatica;卵葉柳穿魚) ヨーロッパ原産
    ウンラン L. japonica(海濱柳穿魚) 北海道・本州・朝鮮・遼寧・極東ロシア産
    フタミウンラン L. pelisseriana
    ヒメキンギョソウ L. purpurea(L.maroccana;不列顚柳穿魚・摩洛哥柳穿魚・姫金魚草)
    ホソバウンラン
(セイヨウウンラン) L. vulgaris(柳穿魚・歐洲柳穿魚;E.Toadflax)
         
広く歐亞に産 『中国本草図録』Ⅴ/2309・『中国雑草原色図鑑』201 
      var. acutiloba(L.acutiloba;新疆柳穿魚) 新疆・シベリア産 『中国本草図録』Ⅹ/4838
      var. sinensis(柳穿魚)
朝鮮・華北・東北・シベリア産
  

  キリカズラ属 Lophospermum(冠子藤屬)
中米に6種

  ツルキンギョソウ属 Maurandella
北米に1種

  ツタバキリカズラ属 Maurandya(蔓桐花屬)
中米に2種

  キバナオトメアゼナ属 Mecardonia(伏脇花屬)


  アレチキンギョソウ属 Misopates
旧世界に7-8種

  マツバウンラン属 Nuttallanthus(細柳穿魚屬)

  イワブクロ属 Pennellianthus 1種
    イワブクロ P. frutescens(Penstemon frutescens)
北海道・本州北部・極東ロシア・アリューシャン産

  ツリガネヤナギ属 Penstemon(釣鐘柳屬)

  コオウレン属 Picrorhiza(天竺黃連屬)
ヒマラヤに2種
      incl. Neopicrorhiza
    P. scrophulariifolia(綠花胡黃連)
雲南・チベット・ヒマラヤ産
         
『週刊朝日百科 植物の世界』2-84・『中国本草図録』Ⅱ/825
    コオウレン P.kurroa(胡黃連)
雲南・チベット・ヒマラヤ・カシミール産
         
『中薬志Ⅰ』358 インドでは下剤とする

  オオバコ属 Plantago(車前屬)

  ハナチョウジ属 Russelia(爆仗竹屬)

  セイタカカナビキソウ属 Scoparia(野甘草屬) 世界の熱帯に約20種

  Scrofella(細穗玄參屬) 1種
    S. chenensis(細穗玄參)
甘肅・青海・四川産

  メキシコジギタリス属 Tetranema(四蕊花屬)
中米に8種

  ヒシモドキ属 Trapella(茶菱屬)
1-2種
    ヒシモドキ T. sinensis(茶菱)
本州・四国・九州・朝鮮・中国東北・河北・華東・両湖・広西・極東ロシア産

  クワガタソウ属 Veronica(婆婆納屬)
      incl. Hebe, Pseudolysimachion

  クガイソウ属 Veronicastrum(腹水草屬)
   
 オオバコ属 Plantago(車前 chēqián 屬)には、世界に約240-270種がある。

  ダキバオオバコ P. amplexicaulis
アフリカ北部・アラビア・イラン産
  アメリカオオバコ(ノゲオオバコ) P. aristata(E.Largebracted plantain;芒苞車前) カナダ・USA産
  オオバコ P. asiatica(車前;E.Asiatic plantain)『中国雑草原色図鑑』214
  エゾオオバコ P. camtschatica
  ムジナオオバコ P. depressa(平車前・小車前・驢耳朶菜・車輪菜;
         E.Depressed plantain)
 『中国本草図録』Ⅳ/1858・『中国雑草原色図鑑』214
         
朝鮮・華北・華東・東北・西北・西南・チベット・ヒマラヤ・モンゴル・極東ロシア・シベリア・中央アジアに産
  ハクサンオオバコ P. hakusanensis
本州石川県以北の日本海側に産
  ニチナンオオバコ
(イトバオオバコ) P. heterophylla(E.Many-seeded plantain) 南北米洲産
  トウオオバコ P. japonica(P.major var.japonica)
  ヘラオオバコ P. lanceolata(長葉車前;E.Buckhorn plantain)『中国雑草原色図鑑』215
  セイヨウオオバコ
(オニオオバコ) P. major(大車前;E.Common plantain,
         Greater plantain, Broadleaf plantain)
 『中国本草図録』Ⅴ/2321・Ⅷ/3815
         
華北・東北・西北・江蘇・福建・臺灣・広西・西南・チベットから歐亞の温帯・亜寒帯に産
  P. maritima(沿海車前・鹽生車前) 歐洲・西アジア・北米北部・南米南部産 『中国本草図録』Ⅸ/4338
  シロバナオオバコ P.media(北車前)
歐亞の温帯・亜寒帯に産
         『中国本草図録』Ⅹ/4855・『週刊朝日百科 植物の世界』2-216
  P. minuta(P.lessingii;小車前)
山西・西北・モンゴル・中央アジア・歐洲ロシア産
  エダウチオオバコ
(ホソバオオバコ) P. psyllium(P.arenarium, P.indica;對葉車前)
  ハイオオバコ P. squarrosa
 地中海地方東部産
  ツボミオオバコ
(タチオオバコ) P. virginica(北美車前;E.Dwarf plantain)『中国雑草原色図鑑』215
   
 和名は、葉が大きいことから。ガイロッパは、蛙の葉(漢名の蝦蟇衣も同意)。
 一説に、中国の古典に見える芣苢(フイ,fúyĭ)は ハトムギとする。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)車前子及び源順『倭名類聚抄』(ca.934)車前子に、「和名於保波古」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』12
(1806)に、「オホバコ延喜式 オバコ播州勢州 マルバコ南部 カイルバ同上 カイルパ仙台 スモトリ但州 ホウヅキバ房州総州 ミチボウキ甲州 マリコ蝦夷」と。
 漢名は、この草がよく道端の牛馬に踏まれる場所に生えることから、車前・牛遺・當道・馬舃(舃は履物)という。
 幽州で牛舌という。ガマがその葉の下に隠れ伏すので、江東で蝦蟇衣という
(以上、本草綱目)
 北海道・本州・四国・九州・琉球・朝鮮・臺灣・華東・両湖・両広・西南・チベット・東南アジア・インド・華北・西北・東北・極東ロシアに分布する。
 日本のものは、史前帰化植物と考えられている。
 雌雄異熟。花穂は下から上へと開花するが、雌蕊が先に熟し、後れて下方に雄蕊が熟す。
 中国では、古くは苗や若葉を蔬菜として用いた。
 種子を車前子、全草を車前草と言い、薬用に供する。
 日本薬局方には、本種の種子をシャゼンシ、花期の全草をシャゼンソウの名で載せる。中国では、本種のほか セイヨウオオバコ P. major(大車前)の種子・全草、ムジナオオバコ P. depressa(平車前)の種子も、同様に用いる。
『中薬志Ⅱ』pp.148-152 
 『詩経』国風・周南・芣苢(ふい)に、「芣苢を采(と)り采る、薄(しばら)く言(ここ)に之を采る」と。
 芣苢(フイ,fúyĭ)は音が胚胎に通じ、その実は「子に宜し」という
(『説文』h)。芣苢を摘むのは、子求めの祈り。
 
   信濃路はあかつきのみち車前草
(おほばこ)も黄色になりて霜がれにけり
     
(1926,斎藤茂吉『ともしび』)
   ひと里も絶えたる沢に車前草の花にまつはる蜂見つつをり
     
(1932志文内,斎藤茂吉『石泉』) 
 

ホウキオオバコ f. paniculata  2011/08/27 富山県薬用植物指導センター 

ヤツマタオオバコ  f. polystachya    2021/07/20 薬用植物園

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