げんのしょうこ (現の証拠) 

学名  Geranium thunbergii (G.nepalense subsp. thunbergii)
日本名  ゲンノショウコ
科名(日本名)  フウロソウ科
  日本語別名  ミコシグサ(神輿草)、フウロソウ(風露草)、タチマチグサ、ツルウメソウ、ウメヅル、ベンジョクソウ、イシャイラズ(イシャコロシ・イシャタオシ・イシャナカセ)、コウボウグサ、クチベシ、センニンタスケ、アカハラグサ、セキリグサ、センブリ
漢名  中日老鸛草(チュウジツロウカンソウ,zhōngrì lǎoguàncǎo)
科名(漢名)  牻牛兒苗(ボウギュウジビョウ,mángniúérmiáo)科
  漢語別名  老鸛草・東亞老鸛草(タンシロウカンソウ,duanzuilaoguancao)、五葉草、五瓣草、鐵燈碗、紫地楡
英名  

2009/04/16 入間市宮寺
2008/08/08 さいたま市田島が原
2008/08/29 群馬県 浅間高原

2008/10/09 入間市宮寺

2009/08/23 岐阜県大野郡白川村


 フウロソウ科 Geraniaceae(牻牛兒苗 ボウギュウジビョウ,mángniúérmiáo 科)には、世界に5属 約750-800種がある。

  Biebersteinia(熏倒牛屬)
 アジアの温帯に約4種 
    B. heterostemon(熏倒牛)
    B. multifida(多裂熏倒牛)
    B. odora(高山熏倒牛)

  オランダフウロ属 Erodium(牻牛兒苗屬)
 約75-90種 
    ツノミオランダフウロ
(ナガミオランダフウロ) E. botrys
    オランダフウロ E. cicutarium(芹葉牻牛兒苗)
         北アフリカ・ユーラシア温帯産 日本には明治初から帰化
    ミツバオランダフウロ E. crinitum
    E. hoefftianum(長喙牻牛兒苗)
    ジャコウオランダフウロ E. moschatum
 地中海地方・オリエント原産 1950s三重県に帰化 
    E. oxyrhinchum(尖喙牻牛兒苗)
カフカス・小&中央アジア・新疆産 
    キクバフウロ E. stephanianum(牻牛兒苗・太陽花・長嘴老鸛草・老鸛草
        勾鏈鏈・車車路・綿綿牛・狼巴巴草)
        
中央アジア・カシミール・ヒマラヤ・中国・モンゴル・シベリア産 
    E. tibetanum(短喙牻牛兒苗)
チベット産 

  フウロソウ属 Geranium(老鸛草屬)

  テンジクアオイ属 Pelargonium(天竺葵屬)
世界の熱帯から南アフリカに約250-280種 
      
 園芸上は、かつての属名ゼラニウム Geranium の名で呼ばれる
    キレハテンジクアオイ P. denticulatum
    P. domesticum(家天竺葵・大花天竺葵)
    P. grandiflorum
    ニオイテンジクアオイ P. graveolens(香葉天竺葵・香葉)
    ハナテンジクアオイ
P. × hortorum(天竺葵)アフリカ南部原産
    テンジクアオイ P. inquinans
 南アフリカ産 
    ツタバテンジクアオイ P. lateripes
    シロバナニオイテンジクアオイ P. odoratissimum
    タテバテンジクアオイ P. peltatum(盾葉天竺葵)
    キクバテンジクアオイ P. radula(菊葉天竺葵)
    モンテンジクアオイ P. zonale(馬蹄紋天竺葵) 
     
 フウロソウ属 Geranium(老鸛草 ロウカンソウ,lǎoguàncǎo 屬)には、世界に約400-430種がある。

 日本・中国に産するものに次のようなものがある。

   G. batangense(巴塘老鸛草)
   G. dahuricum(粗根老鸛草) 朝鮮・中国(東北・華北・西北)・東シベリア・極東ロシア産 『中国本草図録』Ⅸ/4207
   G. delavayi(五葉老鸛草) 
四川・雲南産 『雲南の植物』132
   チシマフウロ G. erianthum(東北老鸛草・千島牻牛兒苗)
   G. eriostemon(毛蕊老鸛草) 
東北・華北・西北・湖北・四川。『中国本草図録』Ⅲ/1230
   G. farreri(圓柱根老鸛草)
   G. forrestii(曲嘴老鸛草) 『中国本草図録』Ⅷ/3670
   G. henryi(血見愁老鸛草)
 『中国本草図録』Ⅶ/3188
   G. koreanum(朝鮮老鸛草)
朝鮮・中国(遼寧・山東)・極東ロシア産 『中国本草図録』Ⅴ/2172
   タチフウロ G. krameri(G.japonicum;突節老鸛草)
 『中国本草図録』Ⅲ/1231
   G. lambertii(吉隆老鸛草)
チベット・ヒマラヤ産 『雲南の植物』133
   G. linearilobum(G.transversale;球根老鸛草)
中央アジア・新疆産 
   G. maximowiczii(興安老鸛草) 黒龍江・吉林・内蒙古産 『中国本草図録』Ⅹ/4674
   G. napuligerum(蘿蔔根老鸛草) 『中国本草図録』Ⅷ/3671
   G. nepalense (尼泊爾老鸛草・老鸛草・短嘴老鸛草・牻牛兒苗)
         
タイ北部~ヒマラヤ産 『中国本草図録』Ⅱ/0642
   G. onoei
     グンナイフウロ var. onoei f. onoei(G.eriostemon var.reinii,
         G.eriostemon var.onoei)
   G. paishanensis(長白老鸛草)
   G. pratense(草地老鸛草)
 ユーラシアの温帯に産 
   G. pseudosibiricum(藍花老鸛草)
東欧・ロシア・中央アジア・モンゴル産 
   G. pylzowianum(甘靑老鸛草・賈貝)
陝甘・青海・四川・雲南産 『中国本草図録』Ⅵ/2696
   G. refractum(G.refractoides;反瓣老鸛草・紫萼老鸛草)
        
四川・雲南・チベット産 『中国本草図録』Ⅷ/3672
   ヒメフウロ
(シオヤキソウ) G. robertianum(纎細老鸛草・猫脚印・石巌酸角草)
   G. shikokianum
     イヨフウロ
(シコクフウロ) var. shikokianum 本州東海以西・四国・九州産 
     カイフウロ var. kaimontanum(G.kaimontanum)
 山梨縣三つ峠産 
     ヤマトフウロ var. yamatense
 奈良県大峰山産 
     ヤクシマフウロ var. yoshiianum(G.yoshiianum)
 屋久島産 
   イチゲフウロ G. sibiricum(G.sibiricum var.glabrius;
        鼠掌老鸛草・西伯利亞老鸛草・風露草)
        
日本(北海道・青森県)・朝鮮・中国(東北・華北・西北・湖北・四川・西藏)・極東ロシアから、
        中央アジアを経てルーマニアまで産。『中国本草図録』Ⅱ/0643
   G. sieboldiii(突節老鸛草)
   G. sinense(G.platypetalum;中華老鸛草)
四川・雲南産 『週刊朝日百科 植物の世界』3-164
   G. soboliferum
     ホソバアサマフウロ var. soboliferum(匍枝老鸛草・綫裂老鸛草)
        
朝鮮・中国(東北)・極東ロシア産 『中国本草図録』Ⅳ/1708 
     アサマフウロ var. hakusanense(G.hakusanense)
     ツクシフウロ var. kiusianum(G.kiusianum)
九州(九重山・阿蘇山)産 
   タイワンフウロ G. suzuki(黃花老鸛草)
臺灣産 
   ゲンノショウコ G. thunbergii(中日老鸛草)
   G. transhaicalicum(大花老鸛草) 『中国本草図録』Ⅸ/4208
   G. tripartitum
     コフウロ var. tripartitum
日本(本州山形宮城以南・四国・九州)・朝鮮(済州島)産 
     ホコガタフウロ var. hastatum(G.hastatum, G.wilfordii var.chinense)
栃木・群馬産
   G. tsingtauense(靑島老鸛草) 『中国本草図録』Ⅶ/3189
   G. vlassovianum(毛老鸛草)
   G. wilfordii
     ミツバフウロ
(フシダカフウロ) var. wilfordii(老鸛草・鴨脚老鸛草)
         日本(北海道・本州・四国・九州)・朝鮮・臺灣・中国(東北・華北・華東・両湖・陝甘・四川)・極東ロシア産
        『中国本草図録』Ⅶ/3190
     タカオフウロ var. chinense
   G. wlassivianum(灰背老鸛草)
   G. yesoense (沙頭老鸛草・金山老鸛草) 四川
     イブキフウロ var. lobato-dentatum
     ハクサンフウロ var. nipponicum
     ハマフウロ var. pseudopratense
     エゾフウロ var. yesoense
   ビッチュウフウロ G. yoshinoi
本州の長野県南部・東海地方・近畿地方北部・中国地方産
   G. yunnanense
四川・雲南産 『雲南の植物』133

 外来の帰化種に、次のようなものがある。
   アメリカフウロ G. carolinianum(野老鸛草・鷺嘴草,Carolina geranium)
        
河南・江蘇・浙江・江西。『中国雑草原色図鑑』122
   オトメフウロ G. dissectum(Cut-leaved crane's-bill)
   ヤワゲフウロ G. molle(軟毛老鸛草;Dove's-foot crane's-bill)
   チゴフウロ G. pusillum(矮老鸛草;Smallflowered crane's-bill)
   ピレネーフウロ G. pyrenaicum(Hedgerow crane's-bill)

 観賞用に栽培するものに、次のようなものがある。
   G. argenteum
アルプス・北アペニン原産
   G. cinereum(灰色老鸛草)
ピレネー・アペニン原産
   G. endressi
ピレネー原産
   G. platypetalum(寛瓣老鸛草)
 コーカサス原産
   アケボノフウロ G. sanguineum(血紅老鸛草)
 ピレネー・アルプス原産
     var. lancastriense
ランカスター原産
   G. traversii 
    
 煎じて飲むと下痢止めに速やかな効果があるので「現の証拠」と呼ばれ、また「医者要らず」とも言う。
 猫足草の名は、葉の形から。神輿草は、熟して弾けた果実の形から。
 フウロソウの語源は不明(牧野)。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』13(1806)牛扁の条に、「ゲンノシヤウコハ 一名ホツケサウ ホツケバナ木曾 レンゲサウ ミコシグサ長州 サクラガハ江戸 フウレイ江州 フウギク種樹家 ネコアシ仙台 ベニバナ城州岩倉 冬ノウメ越後 チゴグサ上州」と。
 漢名の老鸛(ロウカン,lǎoguàn)は コウノトリ。
 科名の牻牛(ボウギュウ,mángniú)とは、黒白まだらのウシ。
 学名の geranium は、ギリシア語の「小さい鶴 granion」から。実の形をツルの嘴になぞらえて。
 なお、英名を geranium、日本でもゼラニウムと呼ばれる園芸植物は、フウロソウ科テンジクアオイ属 Pelatrgonium のうち観賞用に栽培するものの総称。かつての属名 geranium が、園芸上通用しているため。
 ゲンノショウコは、日本全国に分布し、西日本には花が紅紫色のものが、東日本には白いものが多い。
 
著者(嶋田)の記憶では、1950年代長野県東筑摩郡波田村の田の畦には、ゲンノショウコがほかの草にまじって一面にひろがっており、その花の色はみな赤かった。 
 日本・臺灣・中国(福建・浙江・湖南)に分布する。
 中国では、次の植物の果実つき全草を老鸛草(ロウカンソウ,lǎoguàncǎo)と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅲ』pp.79-84
   キクバフウロ Erodium stephanianum(牻牛兒苗・老鸛草・老鸛嘴・太陽花・狼巴巴草)
   ミツバフウロ G. wilfordii(老鸛草・鴨脚老鸛草) 『中国本草図録』Ⅶ/3190
   G. nepalense (尼泊爾老鸛草・老鸛草・短嘴老鸛草) 『中国本草図録』Ⅱ/0642
   G. sibiricum(鼠掌老鸛草・西伯利亞老鸛草・風露草) 『中国本草図録』Ⅱ/0643

 また地方により、次のようなものを老鸛草として薬用にする。
   ハクサンフウロ G. yezoense (沙頭老鸛草・金山老鸛草)
   G. dahuricum (塊根老鸛草)
   アメリカフウロ G. carolinianum (野老鸛草・鷺嘴草)
   G. eriostemon (毛蕊老鸛草)
   ヒメフウロ G. robertianum (纎細老鸛草・猫脚印・石巌酸角草) 
 日本では、花期直前に全草を採取し、根を除いて日干ししたものを薬用にする(日本薬局方)


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