ねずみさし (鼠刺)

学名  Juniperus rigida
日本名  ネズミサシ
科名(日本名)  ヒノキ科
  日本語別名  ネズ、ムロ・ムロノキ
漢名  杜松(トショウ,dusong)
科名(漢名)  柏(ハク,bai)科
  漢語別名  萌松(ボウショウ,mengsong)、棒松(ボウショウ,bangsong)、刺柏
英名  Needle juniper
『中国本草図録』Ⅴ/2035
 ネズミサシ属 Juniperus(刺柏屬)には、北半球全域に約60種がある。
 (なお、旧ビャクシン属 Sabina(圓柏屬)を、この属のビャクシン節 Sect.Sabina として扱う)。

   サビナビャクシン J. arenaria(叉子圓柏・沙地柏・新疆圓柏・天山圓柏・
        雙子柏・臭柏)
『中国本草図録』Ⅱ/0510・Ⅶ/3039
     var. jarkendensis(崑崙多子柏)
 『中国本草図録』Ⅷ/3518
   ビャクシン J. chinensis(圓柏・檜・檜柏)
『中国本草図録』Ⅱ/0509
     タマイブキ var. globosa
     ミヤマビャクシン(伊吹柏槙)・シンパク(真柏) var. sargentii
     ハイビャクシン(這柏槙) var. procumbens(矮柏)
     カイヅカイブキ(貝塚伊吹) cv. Kaizuka(龍柏) 
   セイヨウネズ J. communis(歐洲刺柏・瓔珞柏・普通柏)
     ミヤマネズ var. nipponica(J.nipponica)
     ホンドミヤマネズ var. hondoensis 
     リシリビャクシン var. saxatilis(var.montana,var.sibirica,
         J.sibirica;西伯利亞刺柏・西伯利亞杜松)
   ハイネズ J. conferta(J.rigida var.conferta)
     オオシマハイネズ var. maritima
   J. convallium(細枝圓柏・密枝圓柏・深山柏・細枝檜)
   J. distans → J.potaninii
   タイワンビャクシン J. formosana(J.taiwaniana;刺柏・刺松・山刺柏・臺灣刺柏・
        短柏木・杉柏・臺灣檜)
        
中国(華東・華中・西南)・臺灣に分布。『中国本草図録』Ⅷ/3515
   J. glaucescens(J.komarovii;塔枝圓柏・蜀柏木・灰檜)
   J. lemmeana(山柏)
   J. potaninii(甘川圓柏)
   J. przewalskii(祁連山圓柏・柴達木圓柏・隴東圓柏)
   J. pseudo-sabina(阿爾泰方枝柏・新疆方枝柏・冷檜)
   ネズミサシ
(ネズ・ムロ) J. rigida (J.utilis;杜松・萌松・棒松・刺柏)
   サビナビャクシン J. sabina(叉子圓柏・沙地柏・新疆圓柏・天山圓柏・
        雙子柏・臭柏)
『中国本草図録』Ⅱ/0510・Ⅶ/3039
     var. jarkendensis(崑崙多子柏)
 『中国本草図録』Ⅷ/3518
   J. saltuaria(方枝圓柏・方香檜・方枝檜)
 『中国本草図録』Ⅷ/3517
   J. sibirica → J.communis var. saxatilis
   J. squamata → Sabina squamata
   J. taiwaniana → J.formosana
   シマムロ
(ヒデ) J. taxifolia 日本の小笠原特産 
     オキナワハイネズ var. lutchuensis(J. lutschensis)
   J. tibetica(大果圓柏・西藏圓柏・黄柏・藏檜)
   J. utilis → J.rigida
   エンピツビャクシン J. virginiana(北美圓柏・鉛筆柏・紅柏) 北アメリカ原産
   J. wallichiana(滇藏方枝柏・喜馬拉雅圓柏・小果方枝柏)
 『中国本草図録』Ⅷ/3519
     var. meionocarpa(小果滇藏方枝柏) 
 ヒノキ科 Cupressaceae(柏科)については、ヒノキ科を見よ。
 和名ネズは、ネズミサシの略。枝を鼠の通る穴などに置き、鋭く尖った硬い葉で鼠を刺して防ぐことから。
 日本(本州岩手県以南・九州・四国)・朝鮮・中国(華北北部・内蒙古・東北)に分布。
 中国では、球果を薬用にする。
 『万葉集』に、

   吾妹子が 見し鞆浦
(とものうら)の 天木香樹(むろのき)は 常世にあれど 見し人そなき
   鞆浦の 磯の室の木 見む毎に 相見し妹は 忘らえめやも
   磯の上に 根は
(這)ふ室の木 見し人を 何在(いづら)と問はば 語り告げむか
     
(3/446;447;448, 大伴旅人。鞆浦は広島県福山市鞆街の海岸)
   磯の上に 立てる廻香瀧
(むろのき) ねもころに 何か深めて 念(おも)ひ始(そ)めけむ
     
(11/2488,読人知らず)
   はなれそ
(離磯)に た(立)てるむろの木 うたがたも
      ひさ
(久)しき時を す(過)ぎにけるかも (15/3600,読人知らず)
   しましくも ひと
(独)りありうる ものにあれや
      しま
(島)のむろのき はな(離)れてあるらむ (15/3601,読人知らず)
   玉掃
(たまばはき) 苅り来(こ)鎌麿(かままろ) 室の樹と 棗(なつめ)が本と かき掃かむ為
     
(16/3830,長忌寸意吉麿「玉掃・鎌・天木香(むろ)・棗を詠む歌」)

と詠われているむろのきは、一説にハイネズであるという。 



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