ねむのき (合歓木) 

学名  Albizia julibrissin
日本名  ネムノキ
科名(日本名)  マメ科
  日本語別名  ネブノキ・ネブリノキ・ネブダ、コウカ(合歓)・コウカギ
漢名  合歡(ゴウカン,héhuan)
科名(漢名)  豆(トウ,dou)科
  漢語別名  絨花樹(ジュウカジュ,ronghuashu)、馬纓花(バエイカ,mayinghua)、蓉花樹(ヨウカジュ,ronghuashu)、夜合花・夜合樹
英名  Silk tree(flower), Pink siris
2007/06/19 小石川植物園

2008/07/10 入間市宮寺
 
 

2007/07/19 森林公園

 ネムノキ属 Albizia(合歡屬)には、旧世界の熱帯乃至暖帯に約120-140種がある。

   A. chinensis(楹樹 yíngshù・牛尾木)
         
 福建・湖南・両広・雲南・チベット・東南アジア・南アジア産。『雲南の植物Ⅲ』140
   A. corniculata(刺藤・天香藤・藤山絲)
福建・両広産 
   A. julibrissin
     ネムノキ var. julibrissin(合歡・絨花樹・馬櫻花・芙蓉花樹・夜合花)
     ヒロハネム var. glabrior(A.glabrior)
   オオバネムノキ A. kalkora(A.coreana;山合歡・山槐・白合歡・馬櫻花・黑心樹・夜蒿樹)
         
日本(宮崎)・朝鮮(南部)・中国(華北・西北・華東・華南・西南)・東南アジア・インド産。
         『中国本草図録』Ⅳ/1681
   ビルマネム A. lebbeck(闊莢合歡・大葉合歡)
   A. mollis(毛葉合歡)
 『雲南の植物Ⅱ』130
   A. odoratissima(香合歡・香鬚樹・黃豆樹)
福建・両広・貴州・雲南産 
   タイワンネムノキ A. procera(紅莢合歡・菲律賓合歡・黃豆樹)
         
両広・臺灣・東南アジア・南アジア産。 『雲南の植物Ⅲ』142
   ヤエヤマネム A. retusa
琉球・臺灣・東南アジア・ミクロネシア・オーストラリア産 
     
 マメ科 LEGUMINOSAE(FABACEAE;豆科)については、マメ科を見よ。
 和名は、日が暮れると葉を閉じることから。漢名も同。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)合歓に、「和名祢布利乃岐」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)合歓木に「和名禰布里乃木」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』
(1806)31に、合歓は「カヲカ万葉集 ネブ同上 カウカ古今集、佐州 カウカノキ古歌、江州讃州 カウカイ作州 ネフリノキ和名鈔 ネブギ豫州 ネブノキ奥州中国四国 ネムノキ ヱビノキ同上貴船 ネブタ江戸 ヒグラシ防州」と。
 属名は、「18世紀中ごろヨーロッパではじめて、ネムノキを栽培したフィレンツェの貴族 F. del Albizzi を記念しているため、属名として Albizzia が広く使われたが、今日では原発表どおり Albizia が用いられる」(『日本の野生植物 木本Ⅰ』p.231)
 日本(本州・四国・九州・琉球)・朝鮮・中国(東北乃至華南・西南)・臺灣・東南アジアに分布。
 中国では、樹皮を合歓皮、花・蕾を合歓花と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅲ』pp.423-425 
 日本では、『万葉集』に、

   戯奴(わけ)が為 吾が手もすまに 春の野に 抜ける茅花(つばな)そ 食(め)して肥えませ
   昼は咲き 夜は恋ひ宿(ぬ)る 合歓木(ねぶ)の花 君のみ見めや わけさへに見よ
      
(8/1460;1461,紀郎女、ネムの花とチガヤの花を折り攀じて、大伴家持に贈って)
   吾が君に 戯奴は恋ふらし 給りたる 茅花を喫
(は)めど いや痩せにや(痩)
   吾妹子が 形見の合歓木は 花のみに 咲きてけだ
(蓋)しく 実に成らじかも
      
(8/1462;1463,大伴家持、紀郎女に答えて)

   吾妹児を 聞き都賀
(つが)野辺の しなひ合歓木
     吾は隠
(しの)び得ず 間無くし念(おも)へば
      
(11/2752,読人知らず)
 

   合歓の木の葉ごしもいとへ星のかげ 
(芭蕉,『猿蓑』1691)
    
(七夕の夜の二星の逢引を、閉じたネムの葉の隙間を通して窺う態)
   象潟
(きさかた)や南に西施(せいし)がねぶの花 (芭蕉)

   舟引の妻の唱歌か合歓の花 
(千那,『猿蓑』1691)

 
 幸田露伴は『評釈猿蓑』(1937)に、「合歓の木は水辺に栄ゆるものにして、東京綾瀬の川べりに六月頃の天うつくしく紅毬の如く美しき其花咲きたるは明治のはじめの釣客の知るところなり」と。

  合歓の葉に入りがたの日のひかりさしすきとほるこそ常なかりけれ
     
(1932,斎藤茂吉『石泉』)
  うつせみのことわり絶えて合歓の花咲き散る山にわれ来
(きた)りけり
     
(1943,齋藤茂吉『小園』)
 


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