辨 |
キンセンカ属 Calendula(金盞花 jīnzhănhuā 屬)には、歐洲・北アフリカ・西&中央アジア・ヒマラヤに約12-15種がある。
ヒメキンセンカ(ホンキンセンカ) C. arvensis(C.officinalis var.subspatulata;
歐洲金盞花・田野金盞花・小金盞)
歐洲・北アフリカ・西&中央アジア・ヒマラヤ産、日本には江戸時代に渡来
トウキンセンカ(キンセンカ) C. officinalis(金盞花・黃金盞) イベリア原産
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キク科 Asteraceae(菊 jú 科)の植物については、キク科を見よ。 |
訓 |
『大和本草』金盞花に、「キンセン花ナリ・・・臘月ヨリ花ヒラキ春尤盛ナリ、四時相ツグ故又常春花ト云」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』12(1806)金盞草に、「キンセンクハ トコナツバナ フダンバナ トキシラズ ケイセイクハン加州 アリヤケ摂州 コガネグサ」と。
「金盞ハ花形ヨリノ名ナリ」(『牧野日本植物図鑑』)。 |
説 |
南ヨーロッパ原産。早春の花卉として鑑賞する。
日本には、一説に1850頃入り、大正年間から流行。 |
誌 |
中国では、根・花を薬用にする。
『救荒本草』(14c.後半)に金盞兒花と見え、『本草綱目』(1590)に金盞草と見える。 |
日本では、平安時代の金盞花は、ゴジカ。
一条兼良『尺素往来』(1487)に春の花として金銭が載る。ゴジカは夏秋の花であるから、これはキンセンカであるかもしれない、と言う。 |