パンジー 

学名  Viola × wittrockiana (V.tricolor var.hortensis)
日本名  パンジー
科名(日本名)  スミレ科
  日本語別名  サンシキスミレ、コチョウソウ(蝴蝶草)・コチョウスミレ・コチョウカ
漢名  園菫菜(エンキンサイ,yuánjĭncài)
科名(漢名)  菫菜(キンサイ,jĭncài)科
  漢語別名  三色菫(サンシキキン,sānsèjĭn)、蝴蝶花(コチョウカ,hudiehua)、鬼臉花(キケンカ,guijianhua)、猴面花 
英名  Pansy, Garden pansy, Heartsease
2005/01/11
2004/12/31 2005/01/12

 英名でパンジー、和名でサンシキスミレと呼ばれる草は、二種類ある。
 一は、野生種の V.tricolor(三色菫;E.wild pansy)、ヨーロッパ西北部産。
 一は、これを基とし、V.lutea などの近縁種を掛け合わせて作られた 園芸品種 
V.×wittrockiana。
 スミレ属 Viola(菫菜 jĭncài 屬)の植物については、スミレ属を見よ。
 英名パンジー pansy は、ラテン語の pensare(思う)に連なり、直接には古仏語のパンセ pensee に基づき、「思考」の意。
 これを見ると「人を恋う」と考えられたことから、或いは、下を向いてさく花の姿を物思う人の姿になぞらえて、或いは花の中心にある濃色の斑紋を思案する人の顔に擬えて。別名の heartsease
(心の安らぎ)も同源。
 種小名の wittrockiana は、スウェーデンの植物学者でパンジーを研究したウィットロックにちなむ。
 野生の V. tricolor はヨーロッパ中部・北部原産。花は直径2cm、細長い。
 16世紀中葉、イギリスでパンジーの名で栽培されていた。
 園芸種の V.×wittrockiana は、19世紀初、イギリス海軍提督ガンビアの庇護の下にトムソン T.Thompson が改良したもの(show pansy)に始まる。1835年頃には既に400品種があったといい、今日の基本的な品種は19世紀末までには出そろった。
 主要な原種は、V.tricolor と V.lutea のほか、ロシアの V.altaica、ピレネー産の V.cornuta。
 日本には、幕末(天保・文久ころ)にオランダから入り、胡蝶菫・遊蝶花・人面草などと呼ばれた。
 古くは媚薬として用いた。シェイクスピア『真夏の夜の夢』で、眠っている間に瞼に塗っておくと、目覚めて最初に見たものに恋をする、という媚薬は、このパンジーの花の汁。

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