辨 |
ヨモギ属 Artemisia(蒿 hāo 屬)については、ヨモギ属を見よ。 |
訓 |
李時珍『本草綱目』(ca.1596)の釈名に、「王安石『字説』に云う、艾は疾を乂(おさ)むべく、久しくして彌(いよ)いよ善し、故に字は乂に従う、と」と。 |
『爾雅』釋草に「艾、冰臺なり」と。
李時珍は、『埤雅』が引く『博物誌』を引いて、「氷を割(さ)き円(まどか)ならしめ、挙げて日に向け、艾を以て其の影を承(う)くれば、則ち火を得」と。つまり氷でレンズを作って日光を集め、艾のもぐさで火を熾したわけだ。そこで艾の別名を冰臺という、と。 |
『本草和名』艾葉、一名冰臺に、「和名与毛岐」と。 |
説 |
朝鮮・漢土(全域)・モンゴリア・極東ロシアに分布。 |
誌 |
中国では、チョうセンヨモギなどの葉を艾(ガイ,ài)・艾葉(ガイヨウ,àiyè)と呼び薬用にし(〇印は正品)、また葉の裏の毛でもぐさを作る。『中薬志Ⅲ』pp.280-283 『全國中草藥匯編 上』pp.271-272 『(修訂) 中葯志』V///48-54
〇チョウセンヨモギ A. argyi(艾・家艾)
ヨモギ A. indica var. maximowiczii(A.princeps;魁蒿・黃花艾)
ケショウヨモギ A. lavandulaefolia(細葉艾・野艾)
A. vulgaris(艾蒿・野艾)
日本では、生薬ガイヨウは ヨモギ又はオオヨモギの葉及び枝先である(第十八改正日本薬局方)。 |
中国では、旧暦正月に若菜を食う。また、旧時、五月五日の端午の節句にこの草を採って門に懸け、毒気を祓った。これらの風習は日本にも伝えられている(ただし日本ではヨモギを用いる)。
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