さるおがせ (猿麻桛) 

学名  Usnea longissima
日本名  サルオガセ
科名(日本名)  サルオガセ科
  日本語別名  ナガサルオガセ
漢名  長松蘿(チョウショウラ,chángsōngluó)
科名(漢名)  松蘿(ショウラ,sōngluó)科
  漢語別名  女蘿(ジョラ,nüluo)、松蘿(ショウラ,songluo)、金綫草(キンセンソウ,jinxiancao)、老君鬚(ロウクンシュ,laojunxu)、蜈蚣松蘿、天蓬草
英名  Beard lichen
Usnea sp.   2008/07/24 蓼科山

 地衣類 Lichenes(地衣 dìyī)
   チャシブゴケ目 Lecanorales
     サルオガセ科 Cladoniaceae(ウメノキゴケ科 Parmekiaceae)
       サルオガセ属 Usnea(松蘿 sōngluó 屬)
  
 サルオガセ属 Usnea(松蘿 sōngluó 屬)は、日本には約40種を産する。
 サルオガセは、サルオガセ科サルオガセ属の総称。特には本種を指す。
 『本草和名』松蘿に、「和名末都乃古介」と。
 『延喜式』松蘿に、「サカリコケ」と。
 『倭名類聚抄』松蘿に、「和名万豆乃古介、一云佐流乎加世」と。
 『大和本草』に、「松蘿 一名女羅・・・松樹ノ上ニ生スル寄生ナリ、今本邦ニ松蘿ヲヒカゲノカヅラト訓ス、未是非」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』松蘿に、「マツノコケ
和名鈔 サルヲガセ同上 サルノヲガセ阿州 ヤマウバノヲクズ同上 ヤマウバノヲガセ伯州 サルガセ南部 キリサルカセ駿州不二 クモノハナ日光 キヒゲ紀州 ハナゴケ泉州 キツネノモトユヒ」と。

 牧野によれば、『本草和名』『和名抄』などの松蘿・女蘿・マツノコケ・サルオガセは、実物の正体は不明。『本草綱目啓蒙』や岩崎灌園『本草図譜』のサルオガセは、 Usnea plicata var. annulata である、という。 
 
 中国では、ヨコワサルオガセ Usnea diffracta(松蘿・節松蘿・女蘿)・サルオガセ U.longissima (長松蘿・蜈蚣松蘿・天蓬草)の地衣体(葉状体)を、松蘿(ショウラ,sōngluó)(一部の地方では海風藤)と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅲ』p.535 『全國中草藥匯編 上』pp.496-497 『(修訂) 中葯志』V/687-694 
 『万葉集』に、

   安太
(あだ)へゆく小為手(をすて)の山の真木の葉も久しく見ねば蘿(こけ)むしにけり
      
(7/1214,読み人知らず。真木は杉・檜などの常緑樹、蘿はコケをいうが、ここではサルオガセ)
 
 『古今集』巻10物名に「さがりこけ」として、

   花の色は ただひとさかり こけれども 返々ぞ つゆはそめける
(高向利春)
 

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