ひるむしろ (蛭蓆) 

学名  Potamogeton distinctus (P. franchetii) 
日本名  ヒルムシロ
科名(日本名)  ヒルムシロ科
  日本語別名  クチアケ、ツバキバ、ヒロリ、ゲタノヒモ、ヒルモ、サジナ 
漢名  眼子菜(ガンシサイ, yănzĭcài)
科名(漢名)  眼子菜(ガンシサイ, yănzĭcài)
  漢語別名  泉生眼子菜、鴨子草(オウシソウ,yazicao)、水案板(スイアンバン,shui'anban)、牙齒草(ガシソウ,yachicao)
英名  Distinct pondweed
2013/08/03 長野県茅野市

 新しいAPGにおける被子植物の分類ついては、被子植物を見よ。
 ヒルムシロ科 Potamogetonaceae(眼子菜 yănzĭcài 科)には、7属 約100種がある。

  ヒルムシロ属 Potamogeton(眼子菜屬)

  リュウノヒゲモ属 Stuckenia(箆齒眼子菜屬)
 世界に7種
    リュウノヒゲモS. pectinata(Potamogeton pectinatus(箆齒眼子菜)
         
『中国雑草原色図鑑』279 

  イトクズモ属 Zannichellia(角果藻屬)
 世界に1-6種 
    イトクズモ Z. palustris(角果藻)
    
 ヒルムシロ属 Potamogeton(眼子菜 yănzĭcài 屬)には、世界に約70種がある。

   ホソバヒルムシロ P. alpinus(P.tenuifolius, P.alpinus subsp.tenuifolius;
         高山眼子菜)
   オオササエビモ P. × anguillanus(P.×intortusifolius)
   ツガルモク P. × angustifolius
   ツツヤナギモ P. × apertus
   イトモ P. berchtordii(繊細眼子菜)
   エゾヤナギモ P. compressus(P.sibiricus;扁莖眼子菜)
   エビモ P. crispus(菹草)『中国雑草原色図鑑』277
   コバノヒルムシロ
(トゲミミズヒキモ) P. cristatus(鷄冠眼子菜・小葉眼子菜)
         『中国雑草原色図鑑』277
   P. delavayi(牙齒草)
   ガシャクモ P. dentatus
   ヒルムシロ P. distinctus(P.franchetii;眼子菜)
         
 『中国本草図録』Ⅶ/3395・『中国雑草原色図鑑』278
   アイノコヤナギモ P. × fauriei
   P. friesii(弗里斯眼子菜)
   フトヒルムシロ P. fryeri
   エゾノヒルムシロ P. gramineus(var. heterophyllus, P.heterophyllus;禾葉眼子菜)
   インバモ P. × inbaensis
     ヒロハノササバモ var. pesudomalaianus
   カモガワモ P. × kamogawensis
   アイノコセンニンモ P. × kyushuensis
   ヒロハノセンニンモ P. × leptocephalus
     フジエビモ var. fujiensis
   P. lucens(光葉眼子菜)
 『中国本草図録』Ⅵ/2917・『中国雑草原色図鑑』279
     subsp. sinicus
       ガシャモク var. teganumensis(P.dentatus, P.teganumensis)
         
絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
   センニンモ P. maackianus(微齒眼子菜)
   アイノコヒルムシロ P. × malainoides
   P. malaianus(竹葉眼子菜)『中国雑草原色図鑑』278
   ナガバイトモ P. mandshuriensis(東北眼子菜)
   オヒルムシロ P. natans(浮葉眼子菜) 『中国本草図録』Ⅵ/2918
   ササエビモ P. × nitens(P.nipponicus)
   P. nodosus(P.indicus, P.malaianus;小節眼子菜)
   ノモトヒロムシロ P. × nomotoensis
   イヌイトモ P. obtusifolius(鈍葉眼子菜)
 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
   P. octandrus(八蕊眼子菜・鈍脊眼子菜)
     ミズヒキモ var. miduhikimo(var,limosellifolius, P.limosellifolius,
         P.miduhikimo)
     ホソバミズヒキモ var. octandrus(P.iriomotensis)
   アイノコイトモ P. × orientalis
   ヤナギモ P. oxyphyllus(尖葉眼子菜)
   リュウノヒゲモ P.pectinayus(Stuckenia pectinata)
   ヒロハノエビモ P. perfoliatus(穿葉眼子菜)
         
 『中国本草図録』Ⅸ/4391・『中国雑草原色図鑑』280
   サンネンモ P. × philippinensis(P.×biwaensis)
   ナガバエビモ P. praelongus(白莖眼子菜)
 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
   ツツイトモ
(イトモ) P. pusillus(P.panormitanus;小眼子菜) 
   ツツミズヒキモ P. × tosaensis
   ササバモ P. wrightii (竹葉眼子菜)
   ヒメオヒルムシロ P. × yamagataensis
    
 「和名蛭席ハ其葉ヲ蛭ノ居處ニ擬セシ稱、蛭藻モ同義ナリ、或ハ蛭ノ住ム處ノ藻トモ解シ得ベシ。匙菜ノ稱ハ葉形ニ基ク」(『牧野日本植物圖鑑』)。  
 『本草和名』虵床子に、「和名比留无之呂、一名波末世利」と。
 『延喜式』虵床子に、「ヒルムシロ」と。
 『倭名類聚抄』蛇床子に、「和名比流牟之呂」と。

   ただし、蛇床は、ハマゼリの同属異種オカゼリ。
 『大和本草』に、「眼子菜(ヒルムシロ) 倭名ヒルムシロト云」と。
 北海道・本州・四国・九州・琉球・朝鮮・漢土・ヒマラヤ・インドシナ・マレシア・極東ロシアに分布。
 田の雑草。
   中国では、ヒルムシロなどの全草を眼子菜(ガンシサイ, yănzĭcài)と呼び薬用にする(〇印は正品)。    『全国中草葯匯編』上/780 

   コバノヒルムシロ P. cristatus(鷄冠眼子菜・小葉眼子菜)
   P. delavayi(牙齒草)
  〇ヒルムシロ P. distinctus(P.franchetii;眼子菜)
   オヒルムシロ P. natans(浮葉眼子菜)
   P. nodosus(P.indicus, P.malaianus;小節眼子菜)
 
 『万葉集』に、

   あはをろの
(不詳)(峯)ろた(田)にお(生)はるたはみづら(蔓)
     ひ
(引)かばぬるぬるあ(吾)をこと(言)なた(絶) (14/3501,読人知らず)

とある「たはみづら(多波美豆良)」を、一説にヒルムシロとする
(松田)
 ただし、たはみづらの語は、これ以後見ない。


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