辨 |
「莖ハ單一、稀ニ枝ヲ分チ、云々」(『牧野日本植物図鑑』)という。その枝を分つものを変種として扱うことがある。
エダウチチゴユリ var. ramosum
ホウチャクソウ Disporum sessile との間の自然雑種が東京にある。
ホウチャクチゴユリ Disporum × hishiyamanum (D. sessile × D. smilacinum)
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チゴユリ属(ホウチャクソウ属) Disporum(萬壽竹 wànshòuzhú 屬)には、東・東南・南アジアに18-24種がある。
D. acuminatum ミャンマー産
D. bodinieri (D. brachystemon;短蕊萬壽竹・長蕊萬壽竹・竹凌霄)
陝甘・湖北・四川・貴州・雲南・チベット産
『中国本草図録』Ⅵ/2930 『全國中草藥匯編 上』p.304
D. calcaratum (距花萬壽竹・狗尾巴參) 雲南・インドシナ・インド産
トウチクラン D. cantoniense (D.taiwanense;萬壽竹・山竹花・竹葉七・草竹葉)
臺灣・福建・安徽・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南・チベット・ヒマラヤ産
『中国本草図録』Ⅶ/3416 『全國中草藥匯編 上』pp.373-374
ホウチャクチゴユリ D. × hishiyamanum
タイサンチゴユリ D. kawakamii(D.cantoniense var.kawakamii)
D. longistylum(長蕊萬壽竹)
キバナチゴユリ D. lutescens(D.smilacinum var.lutescens)
D. megalanthum(大花萬壽竹)陝甘・湖北・四川産 『中国本草図録』Ⅶ/3417
ナントウホウチャクソウ D. nantouense(D.sessile var.shimadae f.intermedium)
D. ovale → Streptopus ovalis(卵葉扭柄花)
ホウチャクソウ D. sessile
var. flavens (萬壽竹) 『全國中草藥匯編 上』p.304
var. intermedium 臺灣産
ナンゴクホウチャクソウ var. micranthum 吐噶喇・奄美産
ヒメホウチャクソウ var. minus 本州(中部南部・近畿南部)産
ホウチャクソウ var. sessile (寶鐸草・淡竹花)
キバナトウチクラン D. shimadae(D.sessile var.shimadae)
チゴユリ D. smilacinum(D.smilacinum var. ramosum;山東萬壽竹)
キバナホウチャクソウ D. uniflorum(D.flavens;單花寶鐸草) 『雲南の植物Ⅰ』257
オオチゴユリ(アオチゴユリ) D. viridescens (寶珠草)
北海道・本州(中部以北)・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・極東ロシア産 『中国本草図録』Ⅴ/2406
ホウチャクチゴユリ D.×hishiyamanum 東京都産
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イヌサフラン科(チゴユリ科) Colchicaceae(秋水仙 qiūshuĭxiān 科)については、イヌサフラン科を見よ。 |
訓 |
和名は、花が小さいことから(牧野)。 |
説 |
北海道・本州・四国・九州・朝鮮・山東(煙臺)・千島・樺太に分布。 |
誌 |
嫩葉は食用になる。 |
中国では、同属植物のうち、D. bodinieri (長蕊萬壽竹)・D. sessile var. flavens(萬壽竹)の根を 竹凌霄(チクリョウショウ,zhulingxiao)と呼び、D.
calcaratum (距花萬壽竹)の根茎を 狗尾巴參(コウビハシン,gouweibashen)と呼び、それぞれ薬用にする。 |