辨 |
イヌゴマ属 Stachys(水蘇 shuĭsū 屬)については、イヌゴマ属を見よ。 |
訓 |
和名は、一説に朝鮮語のジロイ(「ミミズ」)の転訛、一説に朝露葱の転訛。 |
小野蘭山『本草綱目啓蒙』23(1806)草石蠶に、「チヨロギ チヤウロギ新校正 チヤウロク阿州 チヨロキ豫州 チヨロキナ南部 チツロキ播州 シヨウロキ仙台 ヒダリネヂ備後」と。 |
漢名 草石蠶は、地下の塊茎の形をカイコに擬えて。甘露子は それを食用にすることから。 |
説 |
中国原産、華北・西北に自生。
12世紀ころから栽培、今日では全国各地で栽培。 |
日本には、朝鮮経由で元禄(1688-1704)年間、一説に延宝(1673-1681)年間に入る。 |
ヨーロッパには19c.、アメリカには20c.に入る。 |
誌 |
中国では、夏秋に全草を採り、秋の終りに塊茎を掘り取り、新鮮なまま或いは乾燥して 甘露子(カンロシ,gānlùzĭ)・草石蠶(ソウセキサン,căoshícán)と呼び、薬用にする。『全國中草藥匯編
下』p.170 |
中国・日本では、地中の塊茎を食用にする。
正月のおせち料理で、梅酢で赤く染めたものを黒豆に添える。チョロギの形を俵に見立てて縁起を担ぐもの、という。 |
「かいこのごとくなる白き根多く生ず。玉をつらぬきたるごとくつゞきて、白くすきとほりてきれいなる物なり。味甘く、煮て茶うけくわし(菓子)にもなり、あへ物、吸物其外に物などに入れ、料理色色あり。めづらしき物なり」宮崎安貞『農業全書』(1697)。 |