やどりぎ (宿木) 

学名  Viscum album var. coloratum(=V. coloratum)
日本名  ヤドリギ
科名(日本名)  ヤドリギ科
  日本語別名  ホヤ、トビズタ
漢名  槲寄生(コクキセイ,hujisheng)
科名(漢名)  桑寄生(ソウキセイ,sangjisheng)科
  漢語別名  寄生子(キセイシ,jishengzi)、北寄生(ホクキセイ,beijisheng)、冬靑、凍靑、桑寄生
英名  
2010/05/03 群馬県吾妻郡嬬恋村  (寄主はミズナラか)

2010/05/03 群馬県吾妻郡嬬恋村  (寄主はケヤマハンノキか)

 ヤドリギ科の分類には、二つの立場があるようだ。
 ○ 従前の説は、ヤドリギ科 Loranthaceae(桑寄生科)を、次の二亜科に分ける。
    オオバヤドリギ亜科
(マツグミ亜科) Loranthoideae(桑寄生亞科)
    ヤドリギ亜科 Viscoideae(槲寄生亞科)
 ○ 新しい説では、その全体を次の三科に分ける。
    オオバヤドリギ科 Loranthaceae
    ヤドリギ科 Viscaceae
    エレモレピス科 Eremolepidaceae 
 オオバヤドリギ科 Loranthaceae(桑寄生科)には、約77属940種がある。
   Dendrophthoe(五蕊寄生屬)
   Elytranthe(大苞鞘花屬・鞘花屬)
     E. fordii(鞘花)
     E. tricolor(三色鞘花・寄生茶)
   ホザキノヤドリギ属 Hyphear
     ホザキノヤドリギ H. tanakae
   Loranthus(桑寄生屬)
     L. coccineus(景光桑寄生)
     L. delavayi(椆桑寄生)
     L. europaeus(北桑寄生)
     L. longispicatus(密花桑寄生)
     L. maclurei(大苞桑寄生)
     L. parasiticus(桑寄生)
     L. pentapetalus(五瓣桑寄生)
     L. sampsonii(油茶桑寄生)
     L. scoriarum(四瓣桑寄生)
     L. tanakae(北桑寄生)
     L. yadoriki(毛葉桑寄生・柿寄生)
   Macrosolen(鞘花屬・大管花屬)
     M. bibracteolatus(雙花鞘花)
     M. cochinchinensis(鞘花)
     M. tricolor(三色鞘花)
   オオバヤドリギ属 Scurrula(梨果寄生屬) 
東南アジアに約50種
     S. chingii(卵葉寄生)
     S. elata(高山寄生)
     ニンドウバノヤドリギ S. lonicerifolius
     S. parasitica(紅花寄生)
     S. philippensis(梨果寄生)
     オオバヤドリギ S. yadoriki
   マツグミ属 Taxillus(鈍果寄生屬) 
約60
     T. balansae(栗毛寄生)
     T. caloreas(松寄生)
     T. chinensis(桑寄生)
     T. delavayi(柳樹寄生)
     T. levinei(銹毛寄生)
     マツグミ T. kaempferi(華東松寄生)
     T. limprichtii(木蘭寄生)
     T. nigrans(毛葉寄生)
     T. sutchuensis(四川寄生)
   Tolypanthus(大苞寄生屬)
     T. maclurei(大苞寄生) 
 ヤドリギ科 Viscoideae(槲寄生科)には、8属約450種がある。
   Arceuthobium(油杉寄生屬)
     A. chinense(油杉寄生)
     A. oxycedri(圓柏寄生)
     A. pini(高山松寄生)
   ヒノキバヤドリギ属 Korthalsella(栗寄生屬)
約45種
     ヒノキバヤドリギ K. japonica(栗寄生)
   ヤドリギ属 Viscum(槲寄生屬) 
 ヤドリギ属 Viscum(槲寄生屬)には、約60-100種がある。
   V. album
     セイヨウヤドリギ(オウシュウヤドリギ) ssp. album(歐寄生;E.Common mistletoe,European mistletoe)
     ヤドリギ ssp. coloratum(V.coloratum;槲寄生・寄生子・北寄生・桑寄生・冬靑・凍靑)
           『中薬志Ⅲ』pp.541-545、『中国本草図録』Ⅸ/4083
       アカミヤドリギ f. rubro-aurantiacum
     var. meridanum(闊葉槲寄生)
   V. angulatum(稜枝槲寄生)
   V. articulatum(扁枝槲寄生・楓香寄生・蟹爪寄生・蝦脚寄生・螃蟹脚・桐樹寄生・桐子寄生・栗寄生)
          
 『中国本草図録』Ⅴ/2052
   カキノキヤドリギ V. diospyrosicolum(稜枝槲寄生) 
『雲南の植物Ⅰ』168
   フウノキヤドリギ V. liquidambaricolum(楓香槲寄生・狹葉楓寄生)
 臺灣産
   V. monoicum(五脈槲寄生)
   V. multinerve(果柄槲寄生) 『中国本草図録』Ⅹ/4570
   V. nudum(綠莖槲寄生)
 『雲南の植物Ⅱ』165
   V. orientale(瘦果槲寄生)
   V. ovalifolium(瘤果槲寄生) 
 和名別名のホヤの意は不明。
 源順『倭名類聚抄』(ca.934)寄生に「和名夜止里木、一云保夜」と。
 漢名の科名となっている桑寄生というものは、Loranthus parasiticus。オオバヤドリギ L. yadorigi(柿寄生) の同属異種
 学名の Viscum は「鳥黐(とりもち)」。
 日本(北海道・本州・四国・九州)・朝鮮・中国(北部・東北)・ロシアに分布。
 エノキ・ケヤキ・ブナ・ミズナラ・クリ・サクラなどに寄生する。
 茎葉には澱粉を含み、救荒食。茎葉や果実の粘液から、鳥黐(とりもち)を作る。
 中国では、ヤドリギのほか、Loranthus parasiticus(桑寄生)・L. yadoriki(毛葉桑寄生・柿寄生)などの枝葉を、寄生と呼び、薬用にする。
『中薬志Ⅲ』pp.541-545 
 日本では、『万葉集』に、

   あしひきの やま
(山)のこぬれ(木末)の ほよとりて
     かざ
(挿頭)しつらくは ちとせ(千年)(寿)くとそ (18/4136,大伴家持)

と詠われるほよは、ホヤの転訛、ヤドリギであるという。
 ヨーロッパでは、ケルト人がセイヨウヤドリギを神聖視した。宿主が落葉した後も、これは緑を保つからとされる。彼らは、冬至の日にこれを祭壇に捧げるなどしたが、この習慣はキリスト教のクリスマスに引き継がれ、欧米では、クリスマスにセイヨウヤドリギの小枝を戸口に飾る。男性は、この下に居る女性にはキスをすることが許され、the kissing under the mistletoe の語がある。 

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