びわ (枇杷) 

学名  Eriobotrya japonica
日本名  ビワ
科名(日本名)  バラ科 
  日本語別名  
漢名  枇杷(ビワ,pípá)
科名(漢名)  薔薇(ショウビ,qiángwēi)科
  漢語別名  盧橘
英名  Loquat, Japanese medler
2004/10/20 跡見学園女子大学新座キャンパス
2004/12/02 同上
2013/01/02 小平市 
2005/05/13 跡見学園女子大学新座キャンパス 2005/06/18 同左
2020/06/10 小平市 

 ビワ属 Eriobotrya(枇杷 pípá 屬)には、東&東南アジア・ヒマラヤの暖温帯・亜熱帯に約25-30種がある。

  E. cavaleriei(大花枇杷)
 江西・福建・兩湖・兩廣・四川産 
  タイワンビワ E. deflexa(臺灣枇杷)
 臺灣・廣東産 
         
 『中国本草図録』Ⅸ/4161・『週刊朝日百科 植物の世界』5-142
  ビワ E. japonica(枇杷)
  E. prinoides(櫟葉枇杷)
  E. serrata(齒葉枇杷)
 『雲南の植物Ⅲ』121 
   
 バラ科 Rosaceae(薔薇 qiángwēi 科)については、バラ科を見よ。
 「和名ハ漢名枇杷ノ音ナリ、枇杷ハ樂器ノ琵琶ニ似タル故名ク」(『牧野日本植物圖鑑』)。 なお、琵琶(ビワ,pípá)は西域伝来の楽器。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)枇杷に、「和名比波」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)枇杷に「琵琶二音、此間云味把」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』
(1806)26枇杷に、「ビハ和名鈔 ビヤ本草類編選 コフクベ同上」と。
 湖北・四川原産、野生品の実は直径約2cm。
 広く東~南アジアの暖地で栽培、日本では本州(中西部)・四国・九州の沿岸部・石灰岩地に野生化。
 中国では、葉を枇杷葉と呼び薬用にする。『中薬志Ⅲ』pp.284-286 
 日本では、生薬ビワヨウはビワの葉である(第十八改正日本薬局方)。
 果実を食用にし、古くから栽培。中国では6世紀までには品種が分化していた。
 日本では、正倉院文書に記され、『延喜式』『本草和名』などにその名が載る。
 『古今集』(ca.910)10物名に 紀乳母(きのめのと)が「さゝ(笹)・まつ(松)・びは(枇杷)・はせをば(芭蕉葉)」を詠いこんだ歌が載る。

   いさゝめに 時まつまにぞ 日はへぬる 心ばせをば人に見えつゝ
 
 「枇杷は諸菓に先立ちて熟しめづらし。・・・余地あらば多くもうゆべし。都近き所にては利潤ある物なり。・・・又木の節なく直なる所木刀にして無類の物なり」(宮崎安貞『農業全書』1697)。
 果実としての栽培が盛んになったのは、天保・弘化(1830-1848)頃、中国から大型の果実をつける品種茂木(もぎ)が伝えられてから以降のこと。

   枇杷の木に黄なる枇杷の実かがやくとわれ驚きて飛びくつがへる
   枇杷の実をかろくおとせば吾弟
(わおと)らが麦藁帽にうけてけるかな
      
 (北原白秋『桐の花』1913)
 

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